デザートコース「はじまり」(202604@Authentic)

先日、代々木公園のAuthenticさんで、デザートコース「はじまり」さんをいただいてきました。

NARISAWAやNYでのレストラン立ち上げ等を経て、去年から何度か日本にてポップアップイベントを行われていましたが、ついに実店舗での営業が開始されたということで、早速伺ってきました。
今回のテーマは「はじまり」ということで、テーマにちなんだ食材などにも意味を持たせつつ、それぞれの品にはインスピレーションで浮かんだ名前をつけられているとのこと。

■起源:大和橘、乳清
□玉露、大和橘の葉

起源:大和橘、乳清
玉露、大和橘の葉

日本最古の柑橘の「大和橘」という準絶滅危惧種を使い、ルーツになる食材がお店での最初のコースの始まりということも含めふさわしいということで選ばれたとのこと。
大和橘のフォームとグラニテ、ホエージュレの構成で、酸味と意外に重さを感じるもので、品種改良されていない昔の柑橘というようなイメージ。ホエーが入ってくると甘さなどでまろやかになり、全体の印象が変わってくる。
ペアリングは大和橘の葉を蒸留で水出しして酵素シロップを入れたもの。柑橘感はこちらでもありつつ、あっさりとした玉露の雰囲気で明るめに持ち上がり、全体で大和橘をまるっと感じ取る形に。

■芽吹:三種の豆、けしの実
□緑茶、ハーブ、アーモンドミルク

芽吹:三種の豆、けしの実
芽吹:三種の豆、けしの実2
緑茶、ハーブ、アーモンドミルク

そら豆のブランマンジェ、レモンソースでマリネしたウスイエンドウ、スナップエンドウのフォームを重ね、春の香りをイメージした一皿に。豆感を食感や形を変えつつ、レモンがあることで少しあっさりとした印象もでていて、サラダのような意味合いも。
ペアリングはアーモンドミルクで水出しした煎茶に、ミントオイルを加えたもの。山椒のイメージのある煎茶とアーモンドミルクの少し濃く深いところが、ブランマンジェとシンクロしつつ、ミントでデザート側の青さを爽やかに切る感じに。

■早熟:アップルバナナ、キウイ、清見オレンジ
□カカオビネガー

早熟:アップルバナナ、キウイ、清見オレンジ
早熟:アップルバナナ、キウイ、清見オレンジ2
カカオビネガー

アップルバナナ(島バナナ)を追熟させても完熟とならないところを「早熟」としてイメージ。香りをベースにサラダとデザートの中間仕立てに。林檎ジュレのシート内にアップルバナナ、アボカド、清見オレンジ、キウイ、エスドラゴンを入れて包み、シトラスフラッシュの新芽をあしらったもの。月桂樹アイスを添えて。
果物は割とどれもサッパリした食感などをもった味わいを中心にアボカドやエスドラゴンなどでサラダを想起させ、ハーブっぽさを月桂樹アイスがより出してくる感じに。
ペアリングはカカオパルプを発酵させたビネガーとライチ果汁をあわせたもので、香りはカカオ感がありつつも、いただくとカカオの風味にライチの明るさが浮き出てくる。

■内包:枇杷、ジャスミン、新生姜
□ソーヴィニヨン・ブラン、エルダーフラワー

内包:枇杷、ジャスミン、新生姜
内包:枇杷、ジャスミン、新生姜2
ソーヴィニヨン・ブラン、エルダーフラワー

旬が短いので3年かけて研究し、枇杷を種ごとコンポートして杏仁香が出るタイミングで果肉に香りを移し、タネを抜いたところに新生姜のプリンを入れ、最後に温かいジャスミンソースをかけて。
まずジャスミンソースの香りがとても華やかに感じ取れる。枇杷由来で作った杏仁香の印象と新生姜の仄かな酸味とがとても相性のよさが感じられ、新生姜の刻んだものも食感としてのアクセントに。全体的に香り高さがありペアリングとのイメージの組み合わせも良い感じで、今回の中では一番好みかな。
ペアリングはソーヴィニヨン・ブランにエルダーフラワーシロップを加えたもので、柔らかい酸味と香り高い甘さがありデザートとの対比を。

■誉:みむろ杉木桶菩提酛山田錦、酒粕
□桜水

誉:みむろ杉木桶菩提酛山田錦、酒粕
誉:みむろ杉木桶菩提酛山田錦、酒粕2
桜水

奈良県三輪にある大神神社は日本最古の神社で酒の神が鎮まる地。そのため清酒発祥の地とされていて「酒母」の概念が奈良県にて確立されたとされており、その酒母が「菩提酛」といわれています。大神神社のそばにある酒造さんのお酒で、蔵主さんがこの地でお酒が作れることが「誉である」というふうに言われたところからインスピレーション。
日本酒が作られた当時の製法に近い形で作られた蔵で作られたみむろ杉 木桶菩菩提酛 山田錦を使い、ジェラートと酒粕のスフレという構成。
酒粕のスフレの香りやクリアで淡い味わいが温かい分より感じられ、ジェラートでは日本酒由来の少しキリッとしたイメージをつけている。どちらも同じペースで少し違う味わいという対比もあるところが興味深く、一緒にいただくとよりイメージが広がる。
ペアリングは桜から出汁をとったもので、桜の花のエキスを抽出したような雰囲気で「花見酒」をテーマにした淡い香りのものに。

■一華:ルバーブ、東京白やなぎ
□薔薇のコンブチャ、ゼロシャンパン

一華:ルバーブ、東京白やなぎ
一華:ルバーブ、東京白やなぎ2
薔薇のコンブチャ、ゼロシャンパン

熊本県のHerb&Roseさんの無農薬フォーストルバーブの早摘みのものを使ったデセール。タルトにはアーモンドクリームアイスを入れ、ルバーブジャムとコンポートしたルバーブを花のように盛り付け、CHEESE STANDさんの東京白やなぎで作ったフォームをのせて。
思っているよりも柔らかな酸味とシャキシャキ感は残したコンポートに、フォームはそこまで印象を強くしないことで、ルバーブに寄り添わせる。タルトとアーモンドクリームで、よりデセール感を強く。
ペアリングは同じ農家さんで作られている薔薇を使ったコンブチャにノンアルコールシャンパンと合わせて、ワインのような印象をもたせ、薔薇由来の香りや風味が出てきて、ルバーブの酸味や明るさとの親和性も。

いただいていて感じていたのは、全体としてはもちろん「洋風」ですが、和食のイメージが暗に感じられる印象に思えました。お店の入り口の障子のような作りでもそう感じるのかも。
一つ一つ食材に対しての背景や、どういうインスピレーションや向き合い方をしたかというところを、実際に食材等を見せつつプレゼンテーションされ、デザートやペアリングが提供されるという形も、使う食材の背景:テロワールが伝わり、ゲスト側も学べる感じですね。

日本の食材を季節の食材を中心に使うことに意味と意義があるものを使用し、大体2か月位で構成を変えていくようで、品数や内容もスタッフが増えてきたらより変えていくらしく(次回は7品構成にしようとのことでした)、海外からわざわざ日本にデザートを食べに来てもらうようなお店にしたいとのことでした。
去年からのポップアップ等を経て、ペアリングのドリンクも自分で考えられているのも最近の潮流でもあると思うので、他の食材のときにまたどう変わるかは気になりますね。

内装1
内装2
内装3

https://www.instagram.com/authentic_dessert_dining/

DOMINO

スイーツ大好き男子です。 最近はアシェットデセール(皿盛りデザート)をメインで出しているお店を食べまわっています。

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