先日、神田錦町にオープンしたnaoto.Kさんに行ってきました。
広尾のランベリーから新天地でのオープン。フレンチだけどランベリーの時から更に洗練された食材や匠を伝えるために、カウンタースタイルでキッチンもフルで見られる形のお店に。オープン前までカウンターのお店にいくつか行かれているなぁって思っていましたが、理由がすべて詰まっていましたね。自分は日頃デザート専門で回っていますが、今回伺ったのもちゃんと理由ありきで。
■スフレ キャヴィア オシェトラ
焼きたてのジャガイモスフレの甘さなどが入りクリーミーで単体で充分に美味しい。キャビアとクリームの塩味などでさらに味わいに深みが出てきて、一品目でももったいない感じ。
■100℃のオーブンで10時間ローストした西瓜のガスパッチョ スミイカ 群馬県金子さんのお野菜
西瓜の感じはほんのりと残しつつ、ウリ科の野菜として使ったガスパチョに。合わせるときにフレッシュの西瓜も使っているそうで、その分の甘さを入れた感じ。
烏賊はキッチンに設置された炭火焼き場で焼いて提供。烏賊の柔らかさもよく、お野菜や西瓜の甘みと相まって美味しくいただける。
■千葉県大原より黒アワビ 700UP! 山椒 肝
最初に食材紹介されたときに、ものすごい大きいって思ってた黒アワビをまるっと揚げていく。今回は820gのものだったそうです。
二度上げのようにして余計に火を入れずに仕上げられる。そのためか、すごくもっちりした食感でいただける。
そのもの自体がいいのでお塩で充分いただけるかな。味を変えたいときは山椒と肝のソースで。
■フォアグラ トリロジー 長野県産アンズ 岩手県産グロゼイユ
仕上げ方の違うフォアグラのポワレとテリーヌを一緒に楽しむ一皿。フォアグラ自体もスッと食べやすいものになっていますが、杏と一緒に食べ進めることで、甘さや酸味にフォアグラのコクがしっかりとのってきてくれる。こういう組み合わせがあるんだって感心しながら食べ進めていました。
■大門そうめん スッポン アゲ茄子 柚子 葱
もちっとした食感の素麺でオリーブオイルとお塩で美味しかったのですが、スッポンのスープでいただくと味わい深く美味しくいただける。
琵琶湖の天然物のスッポンを使われているそうで、このスープだけでもかなり美味しかったです。
■カリカリオマール海老 ソース エキューム
オマールエビにジャガイモを巻いて串揚げのようにしたもの。エビの甘さにジャガイモの甘さと食感が包み込んでくれる。
オマール海老の頭を使ってクリームと合わせたソースも海老の甘さとクリーミーな感じが美味しくて、自分好みの感じ。
■200gの世界 宮崎県串間より小甘鯛 カボスのソース・ブールブラン
薄くて細かい鱗をいかにカリッとした食感で出すかというために表面のみ揚げて、その後、炭火で焼き上げていく。
鱗の部分のカリッとした食感、身の部分のフワッとした甘い感じが楽しめる。ソースもカボスを使うことで重すぎない印象に。
フレンチのオーソドックスなものにも、この辺が和食のようなエッセンスも入ってきているのかな。
■宮崎県産黒毛和牛 牛タン ブレゼ 赤ワイン シャンピニオン
とても柔らかく煮込まれた牛タンと赤ワインのソースとシャンピニオンフォームのアクセントで。魚料理からの対比が結構印象的ですね。
■宮崎県都萬牛 D.R.C.焼き ソース ベアルネーズ
こちらも最初に食材紹介があった綺麗なお肉を炭火で丁寧に焼かれる。こちらも途中でお肉を寝かせることで絶妙な火入れに。仕上げにロマネコンティの香りを付けて提供。
もう、香りだけで結構充分な感じになるけど、絶妙な柔らかさでお肉の良さを堪能。栗やソースが甘さなどを補ってくれる。
■コンテチーズのリゾット 天然うなぎの炭焼き
こちらはメニューの記載はなかったのですが、食事の〆のような形に。琵琶湖産の天然うなぎをさばいて炭火で焼いていく。
皮のパリッとした食感に、うなぎ自体の身の弾力が旨味がかなり詰まっていて美味しい。これにコンテチーズのリゾットが意外にもあっていた。
■~魂のひとすくい~ 青唐辛子 青柚子
青唐辛子を塩漬けにしてシロップで煮たものをグラニテに。柚子のソースと一緒にいただく。
ほんのり青唐辛子の香りと少しの辛味があるけど、品のいい清涼感があり、口直しにはちょうど良いかなと思います。
唐辛子のデザートってあまりきかないけど、奇をてらってはいない感じで。
■無花果 巨峰 鹿児島黒酢 白ワイン エピス
福岡産のとよみつひめを、ドライの無花果をスパイスで戻したものとフレッシュな無花果、白ワインにつけたレーズンと巨峰、白ワインのジュレやクリームに黒酢のグラニテ。
クラシカルな感じと合わせ方を変えたパーツの組み合わせで、結構グラニテが全体をまとめ上げていますね。
■Gâteau Entremets バナナパッションフルーツ ショコラドゥルセ
完熟バナナをピューレにしてパッションフルーツやライムと合わせたもの、ホワイトチョコ、フィヤンティーヌで作ったシンプルなケーキ。
岸本シェフのお気に入りで、お店オープン時にぜひ提供したいということで。ホールケーキをその場でカットして提供されますが、バナナの風味もちょうどよく、見た目よりも軽い印象でペロッと食べられます。
メニューはある程度ベースはありつつ、おそらく毎日仕入れられたものをベースに組み立てられているのかなという印象ですね。
今も、色々と改良しながら進められているようで、オープンキッチンにしたことで調理の様子が全部見られる分、緊張感もあると思いますが、熱量も伝わってきて有意義な時間を過ごせたと思います。
ランベリーの時は以前にデザートコースを不定期でやられていて、その時はカウンターで最後仕上げて提供する形式でしたが、オープンキッチンのカウンタースタイルになったので、開催されたら面白そうですね。