先日、神楽坂のVertさんで7月のデザートコースを頂いてきました。
丁度新茶のシーズンの頃合いかなというのと、自分の都合で少し期間が空いてしまいましたが、往訪をしてきました。
□20220528手積み茶
岐阜県で実際に摘まれてきたやぶきたをウェルカムドリンクに。柔らかい中にしっかりとしたお茶の明るい方の風味が余韻として残る。
■桜桃、茗荷、フロマージュブラン
□サンルージュ、赤紫蘇
茗荷フォーム、フロマージュブラン、さくらんぼコンポート
茗荷の明るい印象がフロマージュと一緒にいただくことで、より鮮明な印象になりますね。全体の最後にさくらんぼがあることで、甘さを含めたデザート感もでてくる。
ペアリングはサンルージュのアントシアニンとフロマージュの乳酸に合わせたものに炭酸を入れたペアリング。
飲んだ時には少し独特な苦味があるけど、フロマージュブランと茗荷をいただくことで印象が変化し、デザートに対してのペアリングがしっかりしている感じに。
■スイカ、蓬、朝露
スイカジュースのゼリー、蓬と朝露の水羊羹、朝露パウダーのソース
スイカは果肉で食感を残しつつ、より甘さや味を詰めたゼリーに。お茶を使った水羊羹でより繊細な苦味をいれて、よりスイカらしいスイカに。ソースが入るとお茶の感じが色濃くなりつつ、アクセントとして美味しくいただける。
■燻製緑茶、カキドオシ、へべす
□白樺、カカオ、焙煎米
燻製緑茶ソルベ、へべすとかきどおしのソース
カカオニブとカカオの皮、白樺の葉、焙煎米
すごく燻製感のあるアイス。その中にソースで甘さとスッキリとした酸味を印象付けている。
ペアリングで香りの焙煎米と余韻の白樺。これをいただくことでアイス側の燻製感からお茶の余韻を残すような感じに。
■おひたし
ウェルカムドリンクの茶殻にゲラント塩とその場で削った鰹節。
お茶を使いつつ旨味を増長させるのに削りたての鰹節。箸休め的な意味合いもあるけどこれは全体の流れなどのアクセントとしても良い感じでした。
■白鳳、リュバーフ、ゼラニウム、桃の葉、ミント煎茶
□烏龍茶、オーバーナイトセンセーション、山椒、ダマスクローズ
ミントと煎茶のアイス、桃のソルベ、リュバーブとシードルのジャム、桃の葉とゼラニウムのジュレ、桃のコンポート
煎茶の香りと少し旨みなどを桃から持ってきて、桃の甘さとリュバーブなどの酸味でいただく。それぞれ印象が違うものがアイスで媒介されつつ、ペアリングの明るい印象と良く調和されている。
嬉野茶の烏龍茶、薔薇、ダマスクローズ、山椒
まず色の印象がとても綺麗なイメージ。薔薇の高貴な香りが漂い、桃のグラスデセールとも合うものに。
■宮古島マンゴー、宮古島パッションフルーツ、レモングラス
□菊茶、黒文字、政所大番茶、宮古島マンゴー、カルダモン、バニラ
ミニマンゴーのフレッシュとソルベ&マンゴープリン、パッションフルーツ、レモングラスを液体窒素で固めたグラニテ。
マンゴープリンもパッションがあることで印象が変わり、濃厚なだけでなく爽やかな風味も入ったものに。ソルベはほぼ手を加えていないらしく、マンゴーそのものを贅沢に味わうもの。
新潟の竜の髭という菊茶をベースにマンゴーやバニラなどを入れたもの。
バニラの風味で黒文字の感じも持ち上がりつつ、発酵感などもニュアンスとして上手くのってきて、マンゴーのデセールとあう。こういうお茶の提案の仕方がどんな発想で持ってくるのか、いつも気になりますね。
□虚 昭和九十七年
■大徳寺納豆フィナンシェ
お店を一緒に手伝われている大坂さんの日本茶ブランド「虚」の一品。渋みを特徴として自己犠牲をイメージ。深く渋い苦味が入ってきて、最初に頂いた煎茶とイメージが物凄く変わる。二煎目は少しスッキリさのある渋み変わる。
メニューの記載順もここだけ飲み物が先にされていたのは、このお茶を飲んでいただきたいという田中シェフの気遣いかな。
構成などもある程度決まりつつ、その中で流れやアクセントがより良い感じになっていて良かったと思います。今後の構想だったり、8月のコースでやろうとしていること(もう写真が出ていますが五平餅を焼きたいということ)の話だったりといろんなことが聞けました。