先日、台北のHUGH DESSERT DININGさんで、デザートコースさんをいただいてきました。
台湾遠征ではデザートコースを3回いただいてきましたが、まずはHUGHさんから。アジア圏でデザートコースを提供されるお店として初めてミシュラン・ビブグルマンを獲得し、台湾に行くことを決めた際に絶対訪れたいと思っていたお店。今回、予約が取れたので伺ってきました。
台湾語を訳しつつ、英語で説明を聞きながらということで少し内容が違うかもしれませんが、その辺はご了承を。（本当に英語力高めておくべきだと今になって後悔）
■杏桃糖漿漬芒果/甜糯米飯/山葵/杏桃乾
マンゴースティッキーライスを再構築したもので、更にお寿司からインスピレーションを受けた一皿。お箸か手づかみでいただくところも。
アプリコットシロップに漬けたマンゴーとドライアプリコットを合わせた甘いもち米ケーキの間に山葵を入れて見た目は玉子握りやトロっぽい感じに。意外と山葵とアプリコットの香りもシンクロしつつ、山葵の少しの辛味からの抜ける感じがマンゴーの味と香りを広げてくれる。この組み合わせの発想は意外と出てこないかなと。
■柚子粉條/接骨木花果凍/檸檬葉冷湯/荔枝漂浮軟糕/檸檬葉/新鮮香茅
柚子やレモンリーフ、レモングラスなどを使いスープ仕立てにしたところに葛切りのようなエルダーフラワーのジュレとライチケーキの組み合わせで、水辺に浮かぶ睡蓮のような印象。全体的には柔らかな味わいの重なりと清涼感があるようなもので、とても喉越しも良い。
■香檸檬慕斯/醋漬黃櫛瓜與白花椰菜/白巴沙米可醋雪酪
ベルガモット（Bergamot orange）ムースの上に白バルサミコ酢のソルベと、カリフラワー、ズッキーニのピクルスという構成でこれもお寿司みたいな印象。
ベルガモットで香りを出しつつ、ピクルスに合わせてバルサミコをソルベにした感じで、単にソースとして合わせるよりも味のストレートさがありつつも、口の中ではスッと消えていく感じで強く印象を残さないようなバランスに。
■一小杯驚喜
小さなグラスデセールは箸休め的なもので、グレープフルーツのアイスとブラッドオレンジのジュレの組み合わせ。口直しという感じで、とてもサッパリとした組み合わせに。
■糖漬半風乾西瓜/西瓜奶醬/自製海苔醬/西瓜白/玉露雪酪
セミドライスイカと海苔のテクスチャと玉露のソルベには海苔のパウダー、オリーブオイルとスイカと海苔、スイカクリームソースと自家製海苔ソースという組み合わせで、「旨味（UMAMI）」をテーマにした一皿。
海苔ソースが本当に海苔で佃煮にも近しいような甘さも。お寿司のような組み合わせは割と海苔の印象が全面にきつつ、クリームソースなどと合わせると海苔の香りの印象のみふわっと残ってくれるような感じで、この発想はあまり思いつかないなっていう印象。多分海苔を使うのもすじ青のりはみているけど、海苔は佃煮を使ったものを2回食べた以来でそのものは初かな。
■冬瓜茶慕斯/檸檬奶油霜/檸檬果膠/冬瓜茶琥珀糖
冬瓜茶のムースとレモンバタークリームにレモンジュレの筒や冬瓜茶の琥珀糖を合わせたもの。更にぶどうとりんごのスライスやジュレを使っていて、食感の違いの中に果物の爽やかさとムースのコクを併せ持たせていく。前半のデセールのような爽やかな印象がありますね。
■主廚即興
追加注文を受けて作る即興デザート。今回はトマトのデクリネゾンという感じで、トマトゼリーやサルサ、アイスにフレッシュ。他にウイスキーゼリーや乾燥させた紅藻を合わせた一皿で、何か海の中の１コマを表しているようなデセールに。ウイスキーゼリーが意外と味の骨格を作っているような印象があり、その中に様々な表現で作られたトマトの味が複雑に口の中で広がっていく。
■ミニャルディーズ
グラスサイズのムースケーキが最後に提供されました。
日本で食べたデザートコースや食にも最近は影響を受けて取り入れている感じで、今回のコースは特にそういう印象が強いかなと思いました。ちょうど6月にはJohnさんとのコラボレーションもされるからかなと思ったり。食材の組み合わせも新しい発想もありつつ、台湾の食材などを組み合わせてイノベーションを生み出している感じがして、楽しめました。
デザートが主役になるレストランを始めたいということでオープンされたそうで、その中で試行錯誤を繰り返しつつ、今年で5周年を迎えたということで、流行り廃りが激しいという台湾で続けられているのはすごいですね。追加のデザートを含めて大体100分で提供し終えていて、この日は11人前を2人で作っていて仕事がとても早い感じにも思えました。
本当に予約が即完する位のお店なのですが、運良く取れたときには、また新しい体験ができると思いますね。