無花果と季節のフルーツ(202209-10@Yama)

先日、恵比寿のYamaさんで無花果と季節のフルーツのデザートコースさんを頂いてきました。

今回は時期違いで2回往訪できたので、その辺の比較もしつつ。

9月の無花果のラインナップが5種類で、この数をクオリティ揃えてくるのは結構大変そうだなといつも思っています。

新潟県佐渡島産ビオレソリエス
和歌山県産バローネ
京都府産蓬莱柿
山口県産ホワイトゼノア
福岡県八女産とよみつひめ

10月は少し変わり3種のラインナップに。

新潟県佐渡島産ビオレソリエス
福岡県八女産とよみつひめ
山形県産ホワイトゼノア

□ローズマリーとナツメグの温かいお茶

ナツメグの香りに飲んだ時のローズマリーが優しく広がり、食前に胃を整えるにも良き感じ。

■朝採れたての雲

今回は紅茶を纏わせていて、食べた瞬間に紅茶の風味が口の中一杯に広がりますね。

■落花生

名前がないということでしたが、落花生を湯がいて作られたもので、見た目や食感的には求肥のような感じですが、いただくと落花生の風味が意外としっかり感じられて凄い不思議な感じに。

■北海道チーズのドーナツ

チーズとタイムを使ったドーナツで、チーズの塩味からタイムの香りが抜けていく感じで、1つ味のアクセントに。

□こぶみかんと胡椒

アジアンテイストにも感じられるペアリングでこの後のカプレーゼと併せて提供されますね

■カプレーゼ

箸休めのような意味合いで一旦リセットするためのデザートで、今年の定番のものになっていますね。トマト、バジル、オリーブオイルの組み合わせの完成形。

□レモンバーベナ

自生されているものを使われていて、とても香りの抜けるもので、次のデセールとの親和性がとても高そう。

■和梨

和梨(あきづき)をベースに食感にフォーカスしたものに。
和梨を視察に行かれた喜界島の花良治みかんでマリネしたものに、ベルベーヌオイルやレモンバーベナのアイスとともに、直前まで冷凍されていた梨のスープをかけていただく。和梨の食感は生きつつ瑞々しさとハーブ類の香りでより輪郭を出す形ですが、このスープが一番の決め手になっていたと思います。そのまま和梨をいただくよりもしっかりと素材にフォーカスして昇華されていたので、和梨のアシェットデセールとして過去一番良かったかなと思います。今回の一番の好みのものに。

□コーヒー

酸味と苦みを除いて香りだけを抽出したもので、確かに香りのみでスッキリした形に。

■焼き無花果

無花果を焼いたものを蜜につけて、きな粉のカスタードと黒蜜ソースでいただく、信玄餅のオマージュに。以前作られた際にも言われていた通りで、入っていないはずのバニラ香がしながらも、主軸は無花果にあるのが食べていくと感じられる。

□そば茶とシナモン

蕎麦茶にシナモンの香りを足して、少し八つ橋にも似たニュアンスのものに。

■無花果の春巻

黒無花果とカシスを挟んだ春巻きにブラウンシュガーをまぶしていて、ペアリングのシナモンで同調するものに。カシスの粒がソース代わりになりつつ、流体にしないことで食べやすい形にも。

□クロモジ茶

松の葉と外皮も使ってクロモジとも合わせ、香りからも森林浴のような木の香りも感じられるお茶に。

■白無花果

9月は視察に行かれた白無花果の風景をデセールとペアリングで表現されるものに。
ローズマリーでマリネした白無花果を中心に同じ無花果の葉のソースや、百科蜜とラタフィアのジュレ、洋梨と百貨蜜のアイス、丹波栗のムースで、無花果のある景色を再現。白無花果の優しい甘さを中心にとらえつつ、輪郭をその他の食材でより明確なものにされていっていて、ペアリングがよりイメージを鮮明に描いてくれています。テロワールの要素が見えるアシェットデセールになっていて、こういう構築の仕方も良いなと思いました。

10月は同じ構成の中で白無花果の産地が変わり、白無花果単体での力強さがあり、こちらも美味しくいただきました。

■白胡麻のアイス

視察に行かれた喜界島産の白胡麻を使い、生のものから香りを抽出したアイスに胡麻油と塩をかけた口直し的意味合いのものですが、食べた瞬間に胡麻の感じが一気に広がってきつつ、雑味のない上品な白胡麻の味が堪能できました。

□紅茶、レーズン

紅茶にレーズンを使うことでワイン香が感じられ、より明るいニュアンスの香りになりますね。去年の時よりもより明るい印象が出ている感じかな。

■無花果のブリュレ



蓬莱種の無花果を使ったブリュレとロンサカパを使ったラムレーズンアイスにソースがオー・メドックボルドーソースとロックフォールムースというどれを組み合わせてもとても重厚で美味しい成分が詰まったものに。去年よりもそれぞれがより美味しい感じも増していて、かなり美味しくまとまっていました。
ここに、鬼灯と白無花果のナチュール(10月は与一の栗)、追熟したソルダム(10月はソルダムの代わりにオレンジを纏わせた柿)が箸休め的な位置づけになっていますが、それぞれ充分な美味しさでした。
また、視察で訪れている地域の食材で作られたパンやサツマイモのフォカッチャとも、ソースが特に合う形で美味しい組み合わせでした。


11月から新店舗での営業で栗のコースがスタートされるそうなので、そちらもとても楽しみにしています。

https://www.instagram.com/yama.shirokane/