先日、上野毛のPâtisserie Kyohei Mikamiさんで、甘味懐石を頂いてきました。
店舗でアトリエのような謎の建物がありましたが、こちらで毎月デザートコース「甘味懐石」を開催されるということで、6月開催に伺ってきました。
■自家製甘酒
有機玄米の甘酒と宮崎県産のマンゴーを主軸にフルーツを加えたもので、甘酒がよりまろやかな感じが出てきますね。最初に胃を整えるという意味合いも。
□モクテル・ミュスカ
マスカットとマスクメロンの果汁を炭酸で割ったもので、白ぶどうのワインやシャンパンのような印象を出す形。
■フルーツとチーズ、キャビアのワンスプーン
■山椒の本蕨餅 蜂蜜味噌添え
ワンスプーンはマスクメロンと王林を併せ、リコッタチーズ、キャビア オシェトラ、醤油を載せて。香ばしいニュアンスから緑系の要素の甘さが来る形で、ペアリングともシンクロしていく。キャビアと醤油という組み合わせは意外と合う感じ。
もう一つは青海山椒を使ったわらび餅と熟成された味噌と蜂蜜のソース。うぐいす粉にしているので、山椒とのイメージも割と合う感じ。
■小夏とミントのグラス、シャルドネソース
シュトロイゼル、メロン、小夏のわたとミント皮も入れたアイス。白いシャルドネと牛乳使ったソース。
小夏は綿の部分も使いミントと合わせたアイスは思っているよりもねっとりした感じがあり、綿が入るからなのか試してみたいですね。シャルドネと牛乳のソースもとろみがあり、中にあるメロンとの相性も以外とよく、ちょっと面白いと思った構成。
□桃とりんごのセイロンティー
桃のニュアンスを入れたアップルセイロンティー。桃と林檎の親和性を入れつつ、デザートとはまた違った要素を。
■日本酒のクレムダンジュ
クレメダンジュをその場で作成し、大吟醸「幻」を使用したジュレやシロップ、アメリカンチェリーが入った構成。
クレメダンジュがかなり飲めるくらいのふわふわとした食感で、大吟醸の香りや味と結構あうのが新鮮。
■創作寿司
シュークリームでも使っているデュラム小麦を使ったシュー生地をベースにマスカルポーネとサワークリーム、デコポンにディルなどを載せ、山葵を添えて。
デニッシュやオープンエクレアのような形ですが、山葵と柑橘の相性が意外と良くて、甘さも引き立つかな。
□味噌と昆布茶
意外と柔らかみのある味噌の風味があって、お茶とはまた変わった印象に。甘いものが続いたということでの箸休めに。
□京都宇治玄米茶
60度で淹れたものを冷やし炭酸で割ることで、甘さや香りのイメージが助長されてくるかな。
■道明寺よもぎ餅と黒ごまプラリネソース
蓬と道明寺粉を使ったお餅に大納言と黒豆を併せた餡をいれて表面を焼いたものと、黒ごまを中心にしたプラリネソースをいれて。
全体的に香ばしい感じをキーとして、その中で餡の豆の食感と道明寺のモッチリ感がマッチしていて、プラリネソースがより調和している。
■西瓜の氷菓 貴腐ワインのジュレ
西瓜のグラニテには桃のエキスを加えていて、貴腐ワインのジュレやジャージーミルクアイスとともに。甘い雰囲気や貴腐ワインの香り高さと西瓜の甘い感じの相乗効果に加えて食感などでもグラデーションを。トシヨロイヅカでのシャンパンやブランマンジェとの併せとはまた違った雰囲気ですね。
□クラフトビール×ポムヴェール
ノンアルコールのクラフトビールに青りんごシロップを加えてたもので、後から苦味が来るけど結構飲みやすいものに。
■季節のショートケーキ
オレンジの香りをアンフュゼしたジェノワーズにフレッシュマンゴーと、宮崎マンゴーのソテーしてアプリコットでのフランベしたものを載せて、バルサミコやソース、ハーブ類とともに。
フレッシュのものとソテーしたもので香りや味の濃縮さ、香ばしい感じが入ってきつつ、ソース類などとの変化や、何よりもアシェット感のあるその場での組み立てでできたショートケーキというのが、ライブ感があって良いですね。
■大葉のグラス
静岡の抹茶のアイスに大葉と新生姜、蜂蜜を加えたもの。大葉を強めたそうで色合い以上に大葉の香りと風味があるのと、新生姜の風味と食感が良い感じで入ってくる。
この日は撮影用で使用していた十重二十重をいただけました。
店内に入るまでのイメージは、行かれた方の楽しみにしたいなというところもあるので詳しくは書かないですが、トシヨロイヅカの恵比寿店をちょっと思い出すような感じだったりしました。シェフ自身も言われてハッとされたみたいですが、暗にあったりしたのかと思ったりしました。
ゆったりと3時間くらいかけて頂く形で、食器などは地元広島の食器などを使われていて、お箸でいただくスタイルや提供する際の作り方など、「甘味懐石」らしい雰囲気はあるのかなと。あとは、これからどうブラッシュアップしたりブランディングをしていくかなというところが、今後注目ですね。