デザートコース「Unsung」(202406@アンダーズ東京/otera)

先日、虎ノ門のアンダーズ東京のザ タヴァンさんで、デザートコース「Unsung」さんをいただいてきました。

アンダーズ東京さんのレストラン ザ タヴァンさんでシェフを招いて開催するポップアップイベント「シークレットキッチン」。今回LA LISTE2024ではPASTRY TALENT OF THE YEAR AWARDにも選ばれた香港「Otera」のジョアンナ・ユエン(JOANNA YUEN)さんが登場して、デザートコース「Unsung」を提供されるということで伺ってきました。
Unsungとは脚光を浴びていないという意味で、香港で埋もれている魅力的な食材や、普段ミシュラン店などでは扱わないような食材にスポットを当てるものなのかなと。

■バナナ


バナナを使った2種のアミューズで1つはショコラの中にバナナスープが入っていて、結構ジュワりと味が広がるものに。
もう一つはバナナフリットとキャビア、バナナシートの組み合わせ。キャビアで塩味をつけていながら、甘さとのコントラストに加えて、シートやフリットで少し食感も出す形に。お店でバナナとウイスキーのフランを使ったケーキとかも作られているので、こだわりの食材なのかも。

■ハーブオブグレイス

お料理でよく使われているハーブオブグレイス(ヘンルーダ)を使った一品。ハーブオブグレイスのアイスを包んだお餅とマンダリンムース。
ハーブとお餅の組み合わせは食べ合わせるとよもぎ餅に近いような感じもしつつ、ハーブの印象が多めなのでセイボリーにも少し寄ったような感じ。そこにマンダリンのムースで軽やかな爽やかさもたされる。

■酵母

箱を開けるとイーストとお水、粉が入っていて、これらを各自で混ぜ混ぜしてしばらく発酵させる。どうなるのかはまだ秘密。

■茸


甘めのパイ生地とクリームチーズ&パルメザンチーズの塩味とコクが混ざり合うパイ。最初にそのサクサク感などを頂き、途中からは一緒に提供されたマッシュルームとライムのスープを掛けていただく。チーズがマッシュルームと合わさることでよりソースのような雰囲気になりつつも、ライムが入ることで少しエキゾチックな印象も出てくる。

■梅

1年間漬けている梅を使った一品。現在研究のために梅を漬けていて、そのジュースと昆布を合わせることも考えているとか。
その梅を使ったソルベと合わせるのは豆腐のパンナコッタ。梅の柔らかい香りから一口頂くと甘い味が口の中にとても広がってきて、ネクタリンやプラムを頂く感じにも。その柔らかさが、豆腐の柔らかなニュアンスととてもあっている一皿。

■ココア


クレイポットライスを作る土鍋で提供される一品は、サワードウブレッドにカカオを合わせたもの。一緒に提供されるのはガーリックカカオバター。
サワードウブレッドは外側はとてもカリッとしていて、中はとてもふわっともちもちした感じのところに、カカオがジュワッと入る部分とかもある。これにガーリックカカオバターを合わせると印象がガラッと変わり、香りと味の印象がよりセイボリーっぽさを生む感じに。

■大豆

九龍醤園の金牌生抽皇を使い、醤油のキャラメルフランとシュガーシート。クラシックなフランに醤油を合わせたもので彼女のスペシャリテの一つに。
柔らかなフランに合わせた醤油がカラメルと醤油の間くらいの印象なんですが、とても上品な風味で後味を含めて醤油っぽさが残らない感じ。後からシュガーシートを崩しいれることで、それまでなかったザラメのようなカリッとしたニュアンスが出てくる。

■上生菓子:マンダリンジュレ/チョコレートアイス/抹茶ムース大福

最後のミニャルディーズは上生菓子。お店でも作られているようですね。
ジュレは中にマンダリンソースがありそのソースがジュースのように口に広がる。そこにマンダリン茶をいただくと柑橘感の中に深さがある感じで、少しとうもろこしっぽい香ばしさも。抹茶は意外と苦味とかを中心にしていて加糖せずに風味を感じるものに。お花のチョコレートアイスも綺麗に作られていると思いました。

そして、酵母で作ったものは最後のお土産としてマフィンに。あなた達が作ったんですよっていう言い回しが中々愛らしい感じでした。

今回はお店で提供されているものを中心にスペシャリテを組み込んだ、oteraHKの今を感じさせるような内容だったかなと思います。現在は旨味をキーにした内容を現在は研究されているそうでよりこの先提供されるものが変わってくるかもしれないですね。また環境に配慮した料理を提供する箱やパッケージなどもこだわりが垣間見えました。

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