先日、六本木の九九九さんで和菓子とお茶のペアリングコースさんをいただいてきました。
東京ミッドタウンからほど近い場所に2024年11月にオープンしたお店で、和菓子とお茶のペアリングコースや一品揃いのコースとが提供されていますが、今回は平日のみ提供の和菓子とお茶のペアリングコースに伺ってきました。伺った12月は一陽来復と結びがテーマ。
□氷出し玉露
冬の乾燥した空気から喉を潤すウェルカムティー。甘さとゆったりした渋みも。
■一陽来復:小豆、餅米
□玄米茶
一陽来復は冬が去り春が来ることから新年を迎えるや悪いことが続いた後に幸運が開けるという意味があるそうで、邪気を払うと言われる小豆とスーオアーフードとして注目されているデーツを使ったものに。小豆粥にデーツで甘さをつけた温かい粥は甘さも控えめで胃を落ち着かせるものに。ペアリングの玄米茶は少し低い温度で香ばしい感じも柔らかく。
■柚子しぐれ:柚子、黄身
□カモミール煎茶
時雨生地を使って蒸して柚子餡を合わせた和菓子で果肉も入っているのか、柚子の味に少し変化が感じられる。ペアリングは柚子との華やかな合わせの明るさ。
■南京揚げ:南京
□生姜煎茶
冬至には「ん」のつくものを食べると運気が上がるという縁起をかつぐ風習があって「運盛り」といわれていますが、今回は南瓜(なんきん)を使い、かぼちゃ餡を小麦まんじゅうで包んだものを天ぷらのように。甘さの柔らかいかぼちゃの天ぷら仕立てで。スライスそのままの天ぷらよりも食感も小気味良くて、和菓子らしい趣も。ペアリングは生姜煎茶で生姜の風味でオイリーさがかなりさっぱりした印象に。
■氷炉:炭
□ミント煎茶
炉をモチーフにして、塩と胡麻を使ったテリーヌのような滑らかな感じに、済油のスモーキーさが炉のイメージに。ペアリングはミント煎茶でこちらも油分を切るためのイメージとのこと。
□白湯
ここで炉の白湯をいただいて、一旦味の印象をリセットする形に。
■白善哉:百合根、白小豆、餅
□青白茶
お餅はその場で焼き、白小豆の粒あんと百合根を使ったお汁粉とともに。とろみを百合根でつけていて、とてもあっさりとした印象のお汁粉ペアリングは青白茶に柚子皮を加えたものでこちらは柚子の印象がふわっと感じられるもの。
■落葉焚き:薩摩芋、林檎
□黒文字の烏龍茶
浮島を味噌で作り、林檎味噌の朴葉焼きの上に薩摩芋餡をかけて。味噌の塩味と発酵感を主体に柔らかな甘さの薩摩芋餡などでバランスを。ペアリングは黒文字の烏龍茶で、黒文字の香りの印象を感じる冷たいお茶に。味噌との相性が意外と良く感じられる。
■利休望:黒豆
□小豆ほうじ茶
千利休の新しい思いつきにより長次郎が作り始めた黒楽茶碗をイメージして黒胡麻餅の生地に生クリームと黒豆を入れたクリーム大福でとても柔らかさのあるものに。ペアリングはこし餡の皮を焙じて煮出したお茶で、小豆の少し豆感に本来持つ甘さなどの味わいも感じ取ることができる。
■上生菓子:練り切り
□抹茶
練り切りはその場で作っていただくもので、定番のものをお任せかオーダーしたものも作ってくださるそうです。今回はポインセチアでオーダーしました。その場で作ったものをいただく形式はコレド室町の鶴屋吉信にある菓遊茶屋ではいただいたことがありますが、それ以来かも。
最初の氷出しした玉露の茶葉を利用したおひたしで箸休めにし、抹茶もいただけます。
お店の中はあえて茶室の外側ということで、リラックスしていただけるような作りにされているそうで、部屋の中の対比も趣がある感じに。和菓子のコース仕立てのお店がなかったのと、和菓子自体の価値をあげたいということで始められたそうです。