先日、恵比寿のYamaさんで栗のデザートコースさんを頂いてきました。
10-11月にかけて栗のコースと熟成栗のコースと続くデザートコースですが、今回は10月の栗のデザートコースに。
実りの秋の言葉通り、今回のラインナップには丹羽栗以外にもシャインマスカット、冬柿、酢橘、柚子、新王梨が並んだものに。
■Ring
□温かいローズマリー、タイム、塩のアンフュージョン
鬼灯、無花果 薔薇の香り、冬柿にオレンジの香りを纏わせた、葡萄はヌーベルローズかな?、栗の素揚げ、朝採れたての雲は松茸の香り、リンゴソテーとシナモン生地で揚げたアメリカンドッグ、トリュフのシュークリーム
最初に準備されているところで、朝採れたての雲かなと思っていたのですが、栗を素揚げされたりしていて色々と出てきて予想をいい意味で裏切られました。
ディナーのときの最初の一皿のような形で秋の食材を中心に楽しめるものに。食材がこの時期は豊富なので20品くらいコースで出したかったそうですが、厳選したそうです。
栗はシンプルにポテンシャルがわかる形、朝採れたての雲の松茸の香りも凄く良く感じられる。アメリカンドッグも何気に作るのが難しいと思っているのですが、綺麗に揚がり懐かしい感じの味に。トリュフのシューも食べた瞬間に風味が入ってきて美味しい。その他も素材のポテンシャルが感じられて、一皿目にして結構満足した感じです。
■洋梨のソルベ ローズマリーのソース
□冷たいローズマリー、タイム、塩のアンフュージョン
先ほどのアンフュージョンを冷たいもので。タイムの抜ける感じが少し強まる気がして、先ほどとは表情が変わることがわかる。
洋梨はオーロラを使い、ソルベにしたもの。ローズマリーのソースには洋梨をソーヴィニヨンブランでコンポートしたときのキュイソンを使って。香りの良いソースと洋梨がとても堪能できる。シェフの言われていたとおりに、ソーヴィニヨンブランとの合わせで蜂蜜の様な味わいも入ってくる。
■絹
□温かい金木犀とジャスミンのアンフュージョン
去年頂いた栗ご飯の構成を一新した形に。削った蒸し栗、栗のフラン、お米のピューレの構成。
余計な甘さは一切入れないで、栗本来の甘さや香りを引き出している。あとからメープルシロップを入れることで香りにも味にも更に奥行が出て、とても美味しかったです。今回の一番の好みかな。
ペアリングも温かいもので香りの広がりを感じて、栗の繊細さが更に引き出されているかなと。
■柿の春巻き
□冷たい金木犀とジャスミンのアンフュージョン
アンフュージョンはジャスミンが少し主張した感じになり、ここでも温度差での違いが出てくる。
柿は少し硬めなものを選んで食感を入れる形に。今回はその他に挟んだものがない分、生地もとてもパリッといただけるものに。
柿の食感と甘さに削った栗で香りと甘さを広げていく感じで、今までの春巻きタイプとはまた違う良さがありました。
■梨のフレッシュとグラニテ、カボス、バジルのブランマンジェ
□冷たいレモンバーベナのアンフュージョン
上下を香りもので包んで、グラニテにより爽やかさを演出するように。少し引いた甘さにして、次のデザートへの掛け渡しの形に。
和梨とハーブ系は合う印象なのですが、ここでもその良さを梨を壊すことなく引き出していたと思います。
ペアリングも同様な爽やかさで合わせて、雰囲気を変える形に。
■和栗のモンターニュ
□煎りたてのほうじ茶
モンターニュはコーヒーのソースに青森産カシスのコンフィとマロンムースを詰めたメレンゲ、バニラアイスと飴細工。
ほうじ茶は開場時に最初凄い香りが感じられたのですが、こちらを試されていた感じですね。その場で煎られて香ばしさなどがグッと引き締まる形に。
カシスとマロンの組み合わせにコーヒーで少し香ばしさなどを合わせて、ほうじ茶とのペアリングがちゃんと活きてくる構成に。バニラアイスも味や香りが充分入っているもので、全体を媒介する形でまとめている感じにも。
今回はペアリングでも、同じものを温冷で変えて提供して違いを感じたり、Ringでの提供など今までから更に変えてこられているなって思いました。次の熟成栗のときに、どう変えていくのかなというのが今から興味深いですね。