苺と季節のフルーツのデザートコース
先日、恵比寿のYamaさんで苺と季節のフルーツのデザートコースさんを頂いてきました。
今年初のYamaさんですが、今年は2か月ごとのテーマの中で少し食材などが変わっていくようで、いつもはテーマが終わった後にしてネタバレがないようにしていましたが、今年はテーマ中でも出していこうかなと思います。
この日に用意された苺は左手前から時計まわりにおおきみ、雪うさぎ、とちあいか、とちおとめ、あまおうの5種。どの苺も表情がよく見えますね。
□りんごとレモンバーベナと柚子の温かいお茶
レモンバーベナの印象がメインに後からほんのり柚子などの香りも入ってくる。
■朝とれたての雲:和歌山のレモンの香り
レモンの香りがフワッと入ってくる最初のイメージで、最初のお茶ともリンクしてくる感じに。
■ふきのとうのアイス、白いちごのソース
白いちごの雪うさぎを使ったソースと、アイスにしたふきのとう。白いちごの苦味と香りで野菜のような印象を持ちつつ、ふきのとうのアイスが合うことでよりその印象が強まる感じ。
□ジャスミンウーロン茶と金木犀
次のデザートに合わせて少し華やかでフローラルな感じのペアリング。
■苺のテリーヌ
とちあいかを三層いれて、間には八朔をほぐしたものを詰め、ボルドー・ブランのジュレで固めたもの、周りにはあまおうのスライス。自家製ピスタチオソースを添えて。
とちあいかも八朔もミッチリと挟み込みジュレは最小限な形にしつつ、テリーヌも1日置くことで全体がしっかりと馴染み、苺の甘さと八朔の酸味のワインの香りがしっかりあって「果物をいただいている」感がしっかりとありますね。ピスタチオのソースを加えることで印象が結構変わり、テリーヌにはない濃厚な要素を加えてくれる。
マンゴーのテリーヌのときも凄い良かったんだけど、こちらも贅沢な感じの一皿でしたね。
□こぶみかんの葉とミントの温かいアンフュージョン
少しタイやベトナムの感じのテイストが加わったアンフュージョン。
■小さなパフェ
せとか、レモンクリーム、蜜柑、キルシュジュレ、山椒の新芽のアイス、キルシュ酒のフォーム、飴と柚子の粉糖
樹上完熟させた越冬みかんを使うことで、袋がかなり薄くなって柑橘のジューシーさが凄いでてくるというのが初めての体験でした。そこに山椒の新芽のアイスの風味やクリームの酸味などが混然一体となって楽しめました。ペアリングとも柑橘の親和性があってすごい一体感のあるものに。
□胡椒とクロモジの葉のアンフュージョン
クロモジの香りに胡椒のスパイシーさが入った、いつもの趣とは違うアンフュージョンに。
■カプレーゼ
バジルブランマンジェ、トマトコンソメグラニテ、トマトジュレ、オリーブオイル、お塩
最初のブランマンジェとグラニテとジュレで雰囲気がわかってくるんですが、オリーブオイルとお塩が入ることで、一気にカプレーゼ感が感じられるものに。珊瑚樹自体も甘く美味しさが詰まっていますね。ペアリングをいただくと胡椒が入って、よりカプレーゼが鮮明に浮き上がってきます。
□モンターニュドール
中国茶ベースの紅茶でフルーティーな感じが心地いい。
意外とストレートな紅茶が出てくるのも珍しいですが、横道な感じの重厚なデザートと合わせるには良い感じでした。
■苺のパータフィロ包み
カスタードと苺をパータフィロで包んで焼くことでミルフィーユをイメージ。ボルドー赤ワインの温かいソースと冷たい苺のアイス。
焼きあがったときのほんのり香るバターなどの香り、食感と音、花のような形、苺を中心とした味わいと五感で感じられるミルフィーユイメージのパータフィロ包みはアシェットデセールならではの一皿。赤ワインのソースで重厚さを出しつつ、苺のアイスではよりフレッシュさと温度差をつけて。組み合わせとしてはオーソドックスなのかもしれないですが、提供の仕方や素材の見直しとそれぞれを昇華させることで、より次元の高いものになっていて美味しくいただきました。
■いちご飴
今日はおおきみにとても薄く飴をつけて、苺の中にはピスタチオペーストとクレームパティシエールを詰めたもの。苺に絶対合う組み合わせを最後に楽しみつつ、苺が主体のデザートコースだったことを再認識できるものに。
今回は今年初の往訪でしたが、先日のBSでのお話や最近と直近の方向性などのお話も聞けてデザートコースをいただく前からも楽しめました。もちろんデザートはそれぞれがさらに洗練されてきていて、常に期待を上回ってきて感心させられます。