先日、恵比寿のYamaさんにて桃と季節のフルーツのデザートコースさんを頂いてきました。
7-8月のテーマは桃を中心とした構成で、いただいた日の桃は夢みずきという品種。この時期桃でも旬が変わっていくようで、この品種も二週間程度で別のものになるそうです。HOPE園さんのもので収穫する際に厳選されているとのこと。
こういう視察のときのお話などを会のスタートや途中で伺うことが出来たりして、今回の素材についての知見なども広がっていくのが何気に好きな時間だったりします。
□黒文字と赤松の葉の温かいお茶
心身共に落ち着かせる意味合いもこめて。香りや風味の余韻があり、ちょうどよいかも。
■朝採れたての雲:播磨園のほうじ茶
この一口でほうじ茶の旨味と香ばしさが広がって余韻が残る。抹茶のときも良かったですが、気持ちこちらの方が余韻の残りが大きい感じにも。
■自生した山椒の新芽のわらび餅
山椒の風味と香りが残りつつ、新芽には辛味はないので素材の良さのみを堪能。毎年収穫されてすぐに処理されているので、冷凍していたものでも存在感がとてもある。
■とうもろこしのアイス
玉蜀黍の繊維感を全て除いたアイスは、口に入れてからストレスなくすっと溶けていく美味しさに。オリーブオイルやお塩で味を調えられていますが、単体でも充分美味しく、甘みとかが素材そのもので充分なものに。
□こぶみかんと胡椒の冷たいお茶
昆布みかんでアジアテイストの感じのニュアンスに。
■カプレーゼ
バジルのブランマンジェ、トマトジュレ、オリーブオイル、トマトのグラニテ
箸休めのような意味合いで一旦リセットするためのデザートですが、今回のドリンクとも少しバジルのニュアンスとが合う形に。
□蕎麦茶、シナモン
カカオ感をだしたとのことで、ニュアンスも伝わる。蕎麦茶だけどシナモンが入ることで洋のイメージ。
■焼き無花果、シナモンカスタード、無花果の葉のソース
無花果は焼いてからメープルで漬けて、メープル香と合わさりとても甘さと香りがのってくる。無花果の葉を使うことで、無花果の香りが入ってきつつシナモンでアクセントを添えて。これだけでも濃厚な感じも堪能できる。秋の無花果のコースが結構楽しみになりますね。
□ラベンダーとミントのアンフュージョン
高温で抽出して香りを楽しむものに。ミントがあることで少し明るいニュアンスに。アルコールが飲める人はペリエジュエのブラソンロゼも提供されて、ここからの桃とのペアリングも楽しめます。
(自分はアルコールが苦手なのでなしにしてもらいました。去年の桃とシャンパーニュでも組み合わせがありましたね。)
■アーモンドアイス、桃エキスのソース
アーモンドの香りをアンフュゼさせたミルクとアマレットでアイス。ソースは桃のコンポートしたときのキュイソンを使用。
アーモンドアイスのみだと杏仁豆腐をイメージさせるけど、ソースと一体となって桃の甘さを想像させるようなものに。無花果が重い方向のイメージだった分、一気にペアリングを含めて明るい印象になりますね。
□ジャスミン茶
次のデセールに合わせて華やかな印象のあるものに。
■桃のコンポート
桃のコンポートは皮もつけたままジャスミンの香りを入れて漬けつつ、酸化を最小限に。コンポートも前回行ったよりも更に突き詰めたミキュイの状態で。
ソースは桃のコンポートしたときのキュイソンを使用して、桃尽くしのコンポート。
デセールからジャスミンの香りがありつつ、桃の良さと共存できている。生とコンポートのどちらの良さも入ったもので、何気なく見えるけど結構な手間がかけられていることが伝わる一品で自分の中では一番好みかなと思っています。(全部美味しいのレベル自体も高いんですけどね。)
□八女の緑茶
少し抹茶を入れてニュアンスをつけた緑茶。
■桃のフリット
抹茶ソース、完熟梅のジャム、桃のフリット、ハッカのサラダ
フリットの衣に抹茶を纏わせて。更に最後に白茶を使った抹茶をかけて抹茶の旨味をよりダイレクトに伝わる形に。梅が桃のニュアンスをより引き立てていて、抹茶の旨味のみが入ってくるソースやパウダーともあっている。フリットも余計な生地の部分を外して、食べるときにストレスないものにされていますね。
■ピオーネのグラニテ
茗荷、花穂紫蘇を入れて、色自体はピオーネの皮で出したもの。茗荷が入ることでよりサッパリした感じと食感が出てきて次のデセールへの期待感も出てくる。
□レモンバーベナとセイロン
レモンバーベナのニュアンスが広がりつつ、セイロンティーがあることで少しだけ重さをつけて。
■桃のモンターニュ
さ姫と桃のソース、メレンゲ、レモンクリーム、クレームフェッテ、桃ソルベ、薔薇シュガー、薔薇の千切り
奥出雲の薔薇「さ姫」と桃を使った一品に。
ライチ香の薔薇と桃の桃らしさを十二分に味わえる。後から桃のコンポートとソースを追いがけする事で、しっかり桃のデザートコースというものがわかり、五感で桃を捉えられる。ペアリングの合わせも含めて、グランデセールに相応しい一品。
去年のものから良いところを残しつつ、更に良い素材を堪能できるようなスタイルにされた形ですね。今回はデセールで10品となりつつまだ増えるかもとのことですが、クオリティなどがどんどん洗練されているのに感心しています。次の無花果のデザートコースも楽しみですね。