デザートコース「lattente 待望」(202309@EMME x Lyrique)

先日、日本橋高島屋のフランス展さん内の、EMME x Lyriqueさんでデザートコース「lattente 待望」さんを頂いてきました。

旧知の仲とよく話されていたお二人ですが、今回始めてコラボレーションのデザートコースを提供されるということで伺ってきました。今回はノンアルコールペアリングとのセットになります。

■「葡萄と大地」:EMME
□ペッパー・スパークリング


葡萄やシャインマスカットを中心に、牛蒡と巨峰のアイスと和栗とカダイフの包み揚げやマロンクリームを合わせ、花穂紫蘇を散らしたデセール。大地の感じをモチーフとしたデセールを作ることが多い延命寺シェフの一皿で、牛蒡と巨峰のマーブルアイスが牛蒡感を感じさせつつ巨峰の甘さで強すぎないように工夫されているかも。そこから栗の甘みと花穂紫蘇でタイプの違うアクセントを。
ペアリングはハーブを中心に柑橘やスパイスをあわせたスパークリング。飲んでから飲み終えるまでに結構印象の移り変わりが感じられるもので、デセールとの対比される印象。

■「和梨とスモークヴァニラ、コーヒーとカカオの透明ソース」:Lyrique
□白ティー


バニラとオークチップで香り付けしたムースにコーヒーとカカオの香りを抽出した透明なソース、スライスした和梨とともに、最後にはバニラの鞘を燃やして燻製のように香り付けをして提供。
全体が「香ばしい」をキーにして、ムースやソースとともに直前でバニラの鞘も燃やすことでより立体的な香ばしいというイメージとバニラの香りが意外とシンクロしてくる。それらが和梨の印象をより引き立ててくれて、和梨の使い方と合わせ方が中々興味深く、その場じゃないと提供しづらい香りなどをモチーフにしたアシェットデセールに。
ペアリングは白茶を中心に、梨やコーヒーを加えたオリジナルのアイスティーで、デセール側と要素がシンクロして、印象がよりくっきりとしてくる。

■「黒無花果のエチュベとシェーブル、無花果の葉のアイス」:Lyrique
□ロゼティー



黒無花果をエチュベ(蒸し煮)にしたものとフレッシュのものをメインに、ブッシュ・ド・ルッセとその牧草のような香りをアルファルファで表現するために素揚げと無花果の葉のアイスに入れたデセール。
黒無花果から合わせを作っていく発想で最終的にアルファルファと合わせるという組み立てが非常に見ていても興味深かったです。ずっとアルファルファを素揚げされていてこれは何に使うんだろうっていうのが解明されました。全体的には味の要素としては黒無花果を主体に感じつつ、香りなどにブッシュ・ド・ルッセやアルファルファという立ち位置でアクセントとしてよくあっていますね。
アルファルファがメインの一つのデザートは初めて見たし、とても良かったです。
ペアリングは世界三大紅茶の一つであるキームンをベースにラズベリー、薔薇、巨峰をあわせたアイスティーでデセール側にはない甘酸っぱい印象もありつつ、明るくさっぱりとしていて、デセールとの明暗の対比が感じられる。

■「トゥルト・タタン」:EMME
□和紅茶チャイ



タルトタタンとフォアグラのポワレをパイ包み焼きにしたスペシャリテのトゥルト・タタン。ここに根セロリのソルベや根セロリと林檎のマヨネーズ和え、フォアグラができるにはとうもろこしは必要ということで、ポップコーンの種をミルクで炊いたフォームを一緒に提供。
何度か頂いているスペシャリテのトゥルト・タタンは安定の濃厚さのある一品ですが、ポップコーンフォームが味のアクセントとしてより印象が深い。根セロリを中心とした副菜との相性も良く、食材に垣根はないということをよく表しているデセールに。
ペアリングは和紅茶とスパイスを使ったチャイで、こちらは林檎との相性がよく感じられる。

■ミニャルディーズ:EMME x Lyrique



かぼちゃのビスキュイクーラント:EMME
焼き茄子クリームのカカオシュー:EMME
きのこのタルト:Lyrique
ルイボスティーのパンデピス:Lyrique

関東以外でアシェットデセールを食べるための遠征を始めたときに、当時星ヶ丘にあったLyriqueさんに伺いそこから色々と人と繋がる起点ができた気がして、EMMEさんもおそらく昔パティスリーのときに被っていそうで、そういうものを全てひっくるめて自分的にも今回待望のコラボだったと思います。

https://www.instagram.com/emme.wine.bar/
https://www.instagram.com/lyrique_dessert/