先日、白金のラ クレリエールさんでコラボレーションデザートコースさんを頂いてきました。
今回はQ.E.D.パティスリーの奥村シェフとのコラボレーション。全部がパイ縛りだったりするかなとかちょっと思ったりしていましたが、季節の食材を中心にした構成でした。
□アペリティフ
清水果樹園の甘平とミントのカクテルで、みかんのそのままの甘く美味しい感じが詰まったようなカクテル。飲み口がミントがあるので、明るく感じる。
■Ginger Ale
始まりはお決まりのジンジャーエールをモチーフにしたものに。
ジンジャーの味をそれぞれで変えていて、生姜のグラニテが一番キリッとした感じで、そこから生姜フォームや炭酸ジンジャージュレで印象をそれぞれのレイヤーで醸し出してくれている。キウイも食感や甘さのアクセントに。
■Frill Rose
□凍頂烏龍茶
フリルのようなデセールを作られたいということでヴァシュラングラッセのメレンゲをフリルに見立てたものに。
香りと軽さをイメージしているヴァシュラングラッセで、メレンゲとムースをジャスミン、苺とフランボワーズとオーガニックローズのマリネ、ローズミルクアイスと華やかな感じと軽やかな感じを併せ持つようなデザート、ブラッドオレンジで少し味にも明るいアクセントを足して。
ペアリングは凍頂烏龍茶のコンブチャでキウイ、ゴールドクレストを使ったもの。ベースのイメージは凍頂烏龍茶なんだけど、飲んだ時にとても明るさが感じられて、デザートと同調するような感じ。
■Fallen Leaf
□和紅茶
桜の落ち葉をパイ生地に練りこんだミルフィーユと、落ち葉を煮出したエキスとブールノワゼットクリーム。奥に桜のニュアンスのありつつ、落ち葉のようなサクサクと軽さのあるミルフィーユで、クリームとの相性もよいものに。味の感じもより複雑味が増してくるものとなり、落ち葉とミルフィーユというまさにそのものな感じに。
ペアリングはべにふうきの和紅茶で重厚さのある感じの和紅茶だけど、オーソドックスな感じのデセールと合わせる感じに。ペアリングでは落ち葉を使ったものを直近で2回いただいていましたが、いよいよ食材としても使われてきますね。
■Breath
□煎茶
Q.E.D.のお庭咲く梅の花を使ったアイスに、苺と蕗の薹のソースと梅ジャムと梅干しを忍ばせて。いただくとニュアンスとしての杏仁ぽさもありつつ、奥に少し暗いイメージが有るアイスですが、ソースをいただくと奥から蕗の薹の香りが入ってくる。梅や蕗の薹というような春を迎えるような食材が引き立て役の鍵に。
ペアリングは煎茶ベースにあまおうとベルガモットを加えたコンブチャで、デザートと親和性がある組み合わせの中にベルガモットの爽やかな後味が全体でも引き締め役に。
■Maltaise
□茹で汁
アスパラガスのマルテーズをモチーフに、みかんを使ったウフ・ア・ラ・ネージュとして、みかんとシュゼットバターや金木犀のジンなどを加えて再構築。みかんの明るく爽やかな風味の中からアスパラの味がしっかり感じられ、それがしっかりと調和してデザートとして成立したもので、味の濃淡のバランスも。
ペアリングはホワイトアスパラをデザートで使う際に茹でたときの茹で汁を冷やしたもので、塩味も効きつつ、全体でホワイトアスパラを食べているぞっていう感じになりつつ、組み合わせの意外性もあって今回一番の好みでした。
■Regression
□祐天寺柚子
ローストした菊芋のフランに牛蒡ソースとカカオニブやシナモンと、バニラやみかんにクリームとバターを加えたフォンドボーのようなソースでコクや味わいを足しつつフライを中心とした食感の重ねで素材的には重そうな印象になりそうなところをカバー。
ペアリングは酵素水で発酵させて金木犀を併せて発酵、祐天寺柚子で更に発酵したものを炭酸割ったもので、デザートとは逆に明るさのある柚子や金木犀の味わいがあり、デザートとは対象的な明るさに。
■Lemon Vessel
□葉山椒
珍しい赤レモンを使い、コンフィやムース、クリームとパーツを変えつつ、清美オレンジと赤レモンを加えた一品。赤レモンを主軸にしてパーツを変えて酸味や甘味のバランスをつけつつ、味わいは残したままより食べやすさと広がりが見えて来るのと、皮の山椒のニュアンスも感じられる一品。
ペアリングは乾燥した山椒の葉と黒オリーブ。柔らかな飲み口から山椒の風味が感じられるものですが、デザートを頂いたあとに飲むとより山椒のイメージが鮮明になってくる。
■Resonance
□特級ジャスミン
奥村シェフのスペシャリテのババ・オ・ラムでサトウキビの絞り汁から作られたラムとイタリアンメレンゲベースのクリーム。ババ自体は少し温かいくらいにしてラムの印象を感じられるようにされていて、ババから甘さをよく感じられる。
ペアリングはジャスミン茶ベースに金柑や林檎を加えたコンブチャ。金柑の明るさの中にジャスミンや林檎がデザートといただくと、ラムのアルコールからワインのような印象にも紐づいて感じられる。
■Forbidden Fruit
□甘酒
以前、Q.E.D.さんでのデザートコースでも提供されたもので、アダムとイブをモチーフとしたデセール。林檎のタタンやカルバドスムースやミルクアイスに加えて、いちじくの葉のオイルで味としてもアクセントをつけつつ、よりアダムとイブの話の印象付けにも。
ペアリングは裏ごしした甘酒に紅玉と木苺を加えたもので、いただくと見た目以上にクリアーな感じがあり、フルーツがとてもスッキリと印象にさせているのかな。林檎がそれぞれのキーとなっているので、こちらをデザートといただくと、より爽やかな酸味が感じられる。
■Egg
□鶉
ビーツのフォカッチャとその場で作られただし巻き卵とすじ青のりバターを挟んだもの。葛を入れることで水分を保っただし巻き卵とすじ青のりバターの風味がよくあっていて香りが自然と入ってくる。
ペアリングはお店で使われている鶏の出汁で、スッキリした中に鶏のコクがしっかりと入ったもの。
■Pruning
□ハーブティ
もみの木のホワイトチョコは少しハーバル感というかウッディさもあるような感じに。
ペアリングはラベンダーの新芽のハーブティで、香りが意外と最初から感じられるもの。テーマカラーが紫とのことでラベンダーにされたそうです。
季節のフルーツを主軸にしつつ、トラディショナルな構成やそこから想起されるものなどと、味の濃淡をつけていくバランスになっているのかなと思いましたね。あと、ペアリングの発酵をキーにしたものが色々なバリエーションで今後より注目されてくるところになるのかなと思いました。
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