今回は無花果を中心にということでロードス、姫蓬莱、ビオレソリエスなどを。また旬の葡萄にはクイーンルージュ、富士の輝、シャインマスカットも。
■葡萄のカプレーゼ
□コブミカンと胡椒
藤の輝きを使ったカプレーゼでトマトとはまた代わり甘さと瑞々しい感じがでてきて、塩味やバジルのバランスともよく取れている。
ペアリングもカプレーゼの味を引き締めるような組み立てに。
■梨とベルベーヌ
□ベルベーヌ
梨とカボスのマリネとベルベーヌアイス、更に梨をギリギリに凍らせたソースを掛けて。以前に花良治みかんでやられていたものを形を少し変えたもので、かぼすのグレープフルーツに近い印象が入りつつ和梨の食感にフォーカスしていてシャキシャキした食感が生きつつより輪郭や香りの相乗効果も。
ペアリングもベルベーヌにすることで、より香りの印象も。
■南瓜の三重奏
□燻製焙じ茶
宿儺かぼちゃをパンナコッタ、アイス、ソースにして落花生オイルとともに。とうもろこしのときとは違い、かぼちゃの少し暗めな甘さに奥行きが出てくる。オイルの香ばしいところも、焼いたニュアンスに。
ペアリングは藁で燻製されることで、落花生オイルとともに香ばしいニュアンスを。
■焼き無花果
□香りコーヒー
焼いたビオレソリエスにきな粉のカスタードと黒蜜をかけて信玄餅ような味の組み合わせに無花果のぷちっとした感じや密柑も合わさっている。結構今回の黒蜜が印象が良くて透明感のある中にコクがすごく詰まっているようで驚きました。
ペアリングはコーヒーにお湯を入れることで酸味などを除いてエッセンスのみにして、香ばしさのところで合うような形で。
■茄子
□野菜ジュース
茄子のピューレを敷き、栗と栗の湯がき汁のジュレをかけたもので、茄子の味がストレートにありつつも栗の甘さと味、ジュレの塩味がちょうどよいバランスになっていますね。
野菜ジュースはマッシュルームとまいたけ、しめじを使ったスープですごいクリアな要素の詰まったスープに。
■無花果のマリネと山の恵
□赤松と柿の葉
栗のムースの上には熟成した蜂蜜でマリネした無花果(ロードス、姫蓬莱、ロンドボーデックス)とそのマリネ液のジュレ、洋梨と蜂蜜アイスと無花果の葉のソースと一緒にいただくものですが、一番驚いたのが実は蜂蜜ですごい透明感のあるなかに蜂蜜の味がストレートに伝わってくる。それが主体となって無花果や洋梨との相性の良さを感じさせてくれて、栗の下支えのある甘さも相まって山の恵というのにぴったりなものに。
ペアリングが赤松、柿の葉それぞれからエキスを抽出したもので、香りからも森林にいるような雰囲気がでてきて、山の恵というデザートとの親和性がある。
■無花果の秋巻き
無花果とカシスを巻いた秋巻(春巻)はカシスをソースのようにいただくもので、今回はシナモンシュガーに陳皮や八角、花椒を合わせることで香りや味に少し変化をつけて。
■胡麻アイス
□玉露抹茶
こちらはいつもの定番の組み合わせのものに。
■秋森/自家製パン
□レーズン紅茶
無花果のブリュレを中心に実りの秋を感じさせてくれる一皿に。他にはオレンジでマリネした柿や鬼灯などがあり、赤ワインのソースを添えて。また一緒にさつまいものパンとじゃがいものパン、ブルーチーズバターとともに。
無花果と赤ワインソースの組み合わせが特に親和性があって、それをメインにパンとブルーチーズバターもまた濃厚さ好きにはたまらない構成に。
ペアリングのレーズン紅茶もレーズンの雰囲気がちゃんと香りから感じられて、秋の印象がより重なってきますね。
いただいた日がちょうどミシュラン発表の前日だったりしていますが、当初から試行錯誤されつつも進化していっているところもみられて良かったなと思っています。