先日、白金のYamaさんにて、自家熟成を施した茨城県産栗と季節の食材のデザートコースを頂いてきました。
去年の熟成栗に続いて今タームも産地を変えた熟成栗のコースと季節の食材でのデザートコースを提供されるそうで、伺ってきました。
とちあいか、北海道胡桃、青森紅玉、土佐分担、高知柚子、喜界島シークーというラインナップですが、シークーというものは初めて見ました。どういう感じのものかちょっと興味津々。
■1.胡桃
□栗
胡桃の香ばしい感じと香りをより想起させるようなメープルのビスキュイとメープルシュガーが入ったものに。
ペアリングで提供された栗のお茶は栗の柔らかい香りが感じられる温かいお茶。こちらはシャンパーニュにも変更可能とのことでしたが、お酒が飲めないのでお茶にしました。
■2.caprese
□胡椒とコブミカン
最近の定番になっているカプレーゼとコブミカンのペアリング。ほんのりアジアテイストのある構成だし、一旦甘さをリセットされるものに。
■3. シークーの香り
□胡椒とコブミカン2
シークーは花良治みかん等とはまた別の在来柑橘とのことで、シークワーサーとはまた異なるものとのこと。酸味はありつつ、香りがベルガモット香がするそうで、在来種の研究でもそのあたりのルーツを探るものがあるようですね。
柑橘を粒に分けたりジュレやわらび餅という形で食感の違いを入れた器にシークーフォームをいれたもので、食べた瞬間にシークーの香りがとても広がって驚きますね。その後食べ進むと粒のはじける食感やわらび餅ニュアンスの食感と柑橘の味や香りのコントラストがあって、柑橘の色々な要素が詰まった一皿に。
ペアリングのコブミカンと胡椒の冷たいものも、味や香りの入り方が変わってきつつ、このお皿にも合う形でしたね。
■4.初雪
□レモンティーツリーとミント
写真で見ていた時は氷なのかなと思っていたんですが、目の前に提供された瞬間に氷ではなくて飴にシュガーパウダーをかけたものというのがわかってまずは驚きました。
飴の霜がとても薄く、スプーンを入れるたびに霜を踏むような感覚で、食べたときも心地よい食感に。そこから蕗の薹の香りと苺などの香りがとても良い。雪景色から春までを想像させられるアシェットデセールでシンプルな構成の中に、要素がとても詰まってデザートとしてのイメージがとても良かったです。(本当に全部良いんですが、今回の中では個人的には別格で響いてきた感じですね。)
ペアリングは温かいレモンとミントの爽やかさが、ゆっくりつたわる。ペアリングでよりデザートの表情が浮かんでくるかな。
■5.栗
□燻製焙じ茶
先にペアリングで米藁の燻製煙を閉じ込めたほうじ茶。デザートができるまでの間、燻製の香りを閉じ込めて香を移し、ふたを開けたとき、いただいたときに焼いた香ばしいニュアンスが入ってくる。
栗は今回使用する熟成栗を湯がいたものに、煮汁と蕎麦のソースをかけて。前回の熟成栗よりも甘さと実の詰まりつつ柔らかさもある感じですが、ペアリングがあることで栗の輪郭が引き出されている気がしますね。
■6.白胡麻
□玉露と抹茶
喜界島の胡麻を使ったアイスの風味が本当にとてもあって上品。胡麻油や塩も良いバランスのアクセントになっていて、何度食べても美味しいって思える。
ペアリングの八女の水出し玉露と抹茶も風味よい感じに。
■7.Kinu
□ジャスミン金木犀茶
栗のフランやお米と裏ごしした栗を蒸したもので、提供時にまず蓋をあけて香りをキャッチ。今回の栗も美味しいですが結構素朴な感じが感じられ、前回のものと結構印象が変わる感じに。トリュフメープルとの味の組み合わせも美味しく、コースをまたいだ食べ比べも個人的にできて良かったです。
ペアリングのジャスミンと金木犀の華やかな香りと味がスッと口に入ってきて持ち上げてくれますね。
■8.柚子
柚子のグラニテで最後のデセールに向けたリフレッシュ。キリリとした柚子の味わいで一旦リセットされますね。
■9.林橋のスフレ
□モンターニュドールと薔薇
林檎のスフレの中に、レーズンと林檎のフィリングが入ったもので、まず焼き上がりの香りが良く、途中でタヒチ産バニラのアイスを挟むことで香りの余韻もとても良い感じに。赤ワインのソースを途中で追加するのですが、後から入ってくるレーズンとの相性の良さが良いし、アイスともとても親和性があって意図が良くわかりますね。メインクラスのデセールが2品ありつつも、量的なバランスや出し順をしっかり計算されているかなって思いました。
ペアリングは紅茶に薔薇を落としたもの。グラスも相まって香りの余韻がとてもあって、デセールとの印象も高貴な感じで。
■10.苺飴
ピスタチオクリームと薄い飴でより繊細な苺飴に。
前半後半で食材の違う部分がでてくるので、そのあたりは変えつつ基本的な構成は同じですが、結構それでも色々とイメージが変わってくるなっていうのが興味津々でした。去年の柑橘でも同じようでやっぱり異なるんだよねっていう気づきもあり、奥深さを毎回感じています。