12月の茶湊流水(202312@Vert)
先日、神楽坂のVERTさんで12月のコースを頂いてきました。
□玉露:きらり31
最初に提供された玉露は深いところに甘味が感じられるようなお茶に。
■ル・レクチェ
□香駿烏龍茶
濃厚さのあるル・レクチェのソルベにはキレのある大葉ジュレがアクセントになっていて、食感に麹のアクセントも。
香駿烏龍茶はデザート側と薔薇科のシンクロがあるようなものに。
■キウイ/きゅうり/ヒマラヤスギ
□かなやみどり和紅茶
ヒマラヤスギを使ったヨーグルトとキウイ、きゅうりのバニラコンポートという珍しい組み合わせだけど、青さは全く無くて食感と爽やかさが伝わる組み合わせ。
ペアリングは少しシロップが入った分、味としてもとても明るい印象。
■とちあいか/ルージュロワイヤル/ごぼう
□釜炒り焙じ茶/フリージア/ベルガモット
とちあいかを中心に牛蒡とバラの羊羹。華やかさのある甘い感じの味と香りの中に牛蒡があることで、対照的な味わいがより印象を広げてくれる。
ペアリングをいただくことで、牛蒡の暗めな印象がスッと抜けて、より明るい印象がでてくる感じがあっていますね。
■明石焼き
□碾茶あさひ
甜茶を使った生地の明石焼きで、出汁のみよりも生地にも味わいがあることでより味の深みがでてくるものに。
■茄子/和紅茶/藁
和紅茶を染み込ませたナスの天ぷらが食べたときに味わいがしっかりでてきて、藁のソースの甘さと少し香ばしいニュアンスともあったものに。
■いしじみかん/みかん葉/トウヒ
□藤かおり/黒文字/辛夷
土器で焼いたみかんは、みかんの味もありつつ思いの外水分も感じ、香りや味も引き立ってくるものに。みかんの葉のアイスとともにいただくことでよりみかんの感じを焼き付ける感じに。
ペアリングは藤かおりや黒文字などを蒸留出ししたもので、藤かおりがよりクリアーに感じつつ、あとから黒文字などの深い印象がはいってくる。
■秋王/味醂
□いずみ釜炒り焙じ茶/ラベンダー/コブシ
秋王という品種と使った柿のタタンと柿と味醂のアイスという並びで、林檎のタタンよりもねっとりと濃厚さのある甘みが感じられつつ、水分量が少ない分キャラメル感は増したものに。アイスとの比較もあって、柿の存在感を充分感じますね。
ペアリングは釜炒り和紅茶にラベンダーの香りをつけていて、フローラルさの中にある香ばしいニュアンスが柿とシンクロしたものに。
■栗/柚子/酒粕
□紅晩茶/VERT和紅茶/ビャクシン/ふくみかん
栗のフランの上に柚子のムースと酒粕のフォームを乗せたもので、最初食べたときの発酵感がある柔らかい味から栗の風味が入ってきて、全体として明るい印象に。
ペアリングは紅晩茶を中心にしたコンブチャで発酵感からみかんの印象も感じつつ、デザートといっしょにいただくとよりまろやかな感じにもなってくる。
■土佐文旦/生姜/茗荷
□池川一番茶/仁淀川山椒
文旦の柔らかな酸味から中に進んでいくと茗荷のアイスやくず餅、生姜の葉のジュレやブランマンジェと、キリッとした風味に移り変わっていくものですが、文旦と近い印象のレイヤーで味の印象が重なっていく感じに。
ペアリングは池川一番茶の山椒のニュアンスを山椒を併せて引き立たせたもので、デザートとあいまって山椒の印象も際立つものに。
■発酵小豆
□辻喜抹茶 早緑2023
今年の新茶を抹茶で提供。飲んだときにすぐに抹茶の風味が入ってきて、それがスッと口の中と脳裏に感じられるものに。
発酵させた小豆は食感は残したものでお汁粉とか善哉とは違うけど、そのものでの甘さも感じられるものに。
冬の素材を中心にした構成の中に少し新しいアプローチだったり組み合わせを考えてきて、常に発見や考えることをしながら楽しめる構成になっていると思いますね。