柑橘と季節のデザートコース(202404@Yama)
先日、白金のYamaさんにて柑橘と季節のデザートコースさんをいただいてきました。
3-4月は旬の柑橘を中心にしたコースで、ブラッドオレンジ、日向夏、デゴボン、甘夏、八朔、水晶文旦と揃っていますね。
■桜の薫
□ロゼ
桜の薫は久々に登場した採れたての雲で、桜の花の燻製パウダーが自然の桜のニュアンスを感じられて柔らかくいただける。久々に頂くと懐かしい。
ペアリングはいちごのニュアンスがあるスパークリングで春の雰囲気。
■カプレーゼ
□コブミカンと胡椒
こちらはいつも定番となっている組み合わせで、コース内で印象を一旦リセットするような形に。
■ブラッドオレンジの果汁
□フレッシュハーブティー
ブラッドオレンジのブリュレを中心に、キャラメリゼした皮、赤ワインとブラッドオレンジを合わせたカシスソースという色鮮やかなデセール。
一口サイズでということで口にいれるとブラッドオレンジの果汁感が口いっぱいに広がり、それとともに香りがどんどんと広がってくるのがとてもわかる。ソースと一緒にいただくと、より芳醇さのある味わいが加わってくる。
ペアリングは温かいレモンバーベナティーで、デザート側にない爽やかさを足してくれる。
■柑橘のテリーヌ
□黒文字と松
柑橘を5種類と貴腐ワインを使ったグラデーション鮮やかなテリーヌと蕗の薹のソース。
このテリーヌが本当に綺麗な上に、柑橘それぞれの味の違いと貴腐ワインの親和性がよくて、そこに蕗の薹が入ると春を感じるような香りがより引き立つものに。
ペアリングは黒文字に松を合わせた冷たいアンフュージョンで、蕗の薹とシンクロして新緑のような雰囲気がより一層高まる。
■芽吹
□野菜ジュース
野草を使ったキッシュはコース中に塩味を入れるための一品に。キッシュの上に野萱草、長命草、タラの芽、菜の花、山椒の木の芽のサラダを乗せたもので、木の芽の香りと野草の苦味などがギュッと詰まったキッシュに。
ペアリングの「ジュース」は果汁という意味で、野菜のエキスを使ったものにということで、今回はホワイトアスパラガスの果汁。
アスパラ自体をプレスしたそうで味わいがしっかりと感じられるもので、仄かな塩味もいい塩梅で、キッシュ側の碧っぽさがより引き立てられる。
■新緑
□豆の力
栗のムースや山椒のアイス、枝豆、そら豆、スナップエンドウを入れて抹茶のグラニテでカバーした一皿。抹茶と山椒の香りの良さからスタートして、食べ進めると豆類の香りと軽やかな食感が段々と現れてきて、栗のムースがそれらを包みこんでくれる。
ペアリングは枝豆、そら豆、スナップエンドウの鞘などを使ったお茶で、こちらも豆の香り高い明るさが引き立つもの。全体で豆の持つ力を感じ取れる。
■絹
□ジャスミン金木犀
蒸した栗とお米のピューレ、栗のフランと栗の時期に定番の絹がまだいただけるタイミングでした。香りや味の組み合わせが本当によくできていて美味しい。
ペアリングは冷たいジャスミンと金木犀を合わせたもので、デザート側との高い香りと味わいがあるものに。
■胡麻アイス
□玉露抹茶
こちらもいつも定番となっている組み合わせで、コース内で印象を一旦リセットするような形に。
■春のモンターニュ
□紅茶と林檎
春のモンターニュは桜を中心にしっかりと桜を想起させるような構成。桜と苺のジュレの上に、レモンカードを詰めたメレンゲとクレームフェッテ、蕗の薹のアイスと食感として活きてくるオパリーヌ。更に後入れで苺とロゼワインのジュレも。
桜のヴァシュランは甘さと酸味、食感ととてもまとまりのある構成で、これ以上ない感じのヴァシュランに。前々回、前回のメインから飴をキーにしつつ、食材の移り変わりが花開いたような感じがして、ストーリー性もついた感じに見えました。
ペアリングは紅茶ベースに林檎を合わせていて林檎の香りがふわっと感じられつつほんのり酸味も感じられる。
新しいキッシュやペアリングなどもありつつ、時期の移り変わり中で絹と柑橘のテリーヌや桜のヴァシュランが一緒にいただける結構レアなタイミングで伺えることができました。