抹茶と桜 春のデザートコース(202303@Yama)
先日、白金のYamaさんにて抹茶と桜 春のデザートコースさんを頂いてきました。
3-4月のテーマは抹茶と桜を中心に春の食材を使ったデザートコースということで、せとかや文旦から美生柑やシークなど普段あまり見ないものまで様々なものが取り揃えられていますね。
■山椒のドーナッツ
□淡い苺のスパークリング
山椒からはほんのり柑橘感の印象もありつつ、木の芽を合わせていただくことで、よりらしさもあるものに。
ウェウカムドリンクはほんのりと香る苺がひろがるスパークリング。
■柑橘のグラデーション
柑橘のカプセルを丁寧にほぐし貴腐ワインのジュレと合わせたもので、まずは香り高く柑橘の爽やかさも。後入れで蕗の薹のソースを入れることでそれぞれの香りがとても広がって美味しい。蕗の薹のアプローチがまた違った印象に感じられる。
■カプレーゼ
□コブミカンと胡椒のお茶
ワンクッション挟むのは定番の組み合わせで、いつも通りの美味しい感じ。
■ブラットオレンジのブリュレ
□ミントとシークー
ブラッドオレンジをあえて大きめにカットして食べた時の果汁を大事にしたもので、上にはブリュレや柑橘の皮などを載せ、赤ワインベースのソースといただくと、果汁がジュワッと広がる中にブリュレの甘さをソースが全体の輪郭をまとめてくれていて良いですね。
ペアリングはミントの香りがとても良い感じで、ベルガモットに近しいシークーの香りがほんのり入るものに。前回の時とは温度感などで違う印象がある。
■淡桜
□枝垂桜の泡
ロゼワインを使ったフォームから苺のシャーベットとクレームダンジュ、苺とワインのマリネや梅干しのジャムを一緒にいただくことで味の引き締まりが良いバランスに。
ペアリングは枝垂れ桜の蒸留水のスパークリングで、杏仁のような香りもほんのりと。デザートを頂いたあとにいただくと、桜の印象がとても感じられる。おそらく梅干しがあることでだと思うけど、とても親和性のあるペアリング。
■黑豆茶と燻製
□新緑
まず最初に抹茶の香りや風味が堪能できる。そこから上品な堀川ごぼうのアイスの風味や中山栗のムースに加えてメープルシロップでマリネした枝豆、そら豆、スナップえんどうのシャキシャキした感じが全体のアクセントになっている。
ペアリングはその場で桜のチップにて燻製香をいれた黒豆茶に枝豆とそら豆、スナップえんどうを合わせて抽出したもの。さやとかも使われているそうで、お豆感とともに出汁のニュアンスも感じられる。
去年から結構どちらも変えられた感じですが、それぞれのニュアンスがとてもシンクロしていますね。
■新胡麻のアイス
□玉露と抹茶
喜界島産の胡麻から自家製の胡麻油を作って、胡麻のアイスとともに。香ばしいニュアンスはもとより、クリアな胡麻の感じもわかり色合いなど含めて断然変わっていることがよく分かる。
ペアリングの水出し玉露と抹茶も、それぞれの旨味の寄り添う形のものに。
■春のモンターニュ
□黒文字と赤松
蕗の薹のアイスやレモンクリームなどを詰めたモンターニュに桜の塩漬けと苺のソース。昨年のものからアイスを蕗の薹に変えることでより春らしいニュアンスが出ている感じになりますね。単体で頂いても充分な感じなのですが、ガルニチュールの苺とジュレを入れたところで、より苺の雰囲気が入って明るく感じられるメインのアシェットデセールに。
ペアリングの木の香りがとても良く、木は違うけど木々に囲まれた中に桜を感じられるような春らしい叙景ですね。
こちらも去年から変えられていますが、より自然を感じられるような印象が深い感じですね。
■雲
星野製茶園の星授を使った朝採れたての雲で、最後はテーマ通り抹茶でしめる形。
柑橘よりも抹茶と桜をテーマにすることで、去年とは少し異なったバランスにもなっていますが、テーマに合わせつつ新たなインプットを加えて進化し続ける感じが良いですね。