林檎のスフレと季節のフルーツのデザートコース(202112@Yama)
先日、恵比寿のYamaさんで林檎のスフレと季節のフルーツのデザートコースさんをいただいてきました。
早いもので年内最後のデザートコース(クリスマスコースは除く)。今回も柑橘などを中心に果物のラインナップがすごかったです。林檎(千雪、紅の夢)、ルレクチェ、和歌山県産みかん、和歌山県産ベルガモット、高知県産柚子、茨城県産とちおとめ、水晶文旦。特に生のベルガモットの香りの華やかさが伝わってきて、最初から凄い期待感がありました。
□レモンバーベナとベルベーヌとミントの温かいアンフュージョン
ハーブの優しい香りが心地よい感じに。
■朝採れたての雲:柚子の香り
朝採れたての雲は柚子の香りと風味が広がる感じで柔らかい口当たり。
■福岡うきは市松野牧場さんのノンホモ牛乳を使ったアイス、ベルガモットの香りを移したソース
牛乳の風味がありつつ食べたときの口当たりがストレスなく美味しいミルクアイス。そこにベルガモットのソースで柑橘らしさと香りが楽しめて、シンプルだけど奥深い。
■林檎の春巻き
□林檎とカシスの温かいアンフュージョン
紅の夢を千切りを蒸した皮のペーストでマリネして、生地で包んで揚げた巻物
香りや食感、酸味が活きた春巻きに。甘さをメープルシュガーで補うことでクリームなどを使わない形にして、より林檎の良さが活きていたと思います。デセールに合わせたペアリングで、こちらも最初に林檎の香りがとてもいい形で入ってきて、カシスの酸味で少し変化をつけて。一緒に頂いて、より一層林檎の表情が伝わってきました。
■小さな苺のパフェ
□柚子とクロモジの温かいアンフュージョン
薄い飴、シャンパンのフォーム、フレッシュな苺とアイスの苺、バジルのブランマンジェ
シャンパンフォームの香りと非加熱の苺アイス等が合う組み合わせで煌びやかというような感じ。下支えするバジルの香りも良い形にあっていますね。バジルのパンナコッタが本当に何にでも合うのも凄いと思っていつも頂いています。ペアリングは柚子の柔らかさがでているアンフュージョンで、こちらも明るくデセールに寄り添っていたと思います。
■ルレクチェのブリュレ
□ナツメグとアカマツのお茶
栗のムース、金柑のマーマレード、ローズマリーのソース、ルレクチェ、ブリュレ
ルレクチェの凄いジューシーさがある中に、飴や金柑、栗の甘さや風味を一緒に頂いていくものに。もっと食べたいって思うくらいのジューシーさが感じられるブリュレという感じで、一番好みだったかも。ペアリングで少し濃い方向のデセールを少し持ち上げてくれるような感じで、よく合っていたと思います。
■柚子のグラニテ
□柚子とクロモジの冷たいアンフュージョン
チーズムース、レモンカードでマリネした水晶文旦、柚子のグラニテ
柑橘類の中にチーズのコクがある感じに、グラニテで柚子などをより引き立てて。さっぱりした構成にチーズが入ってくるの?って最初思っていたのですが、構成を考えたら納得する形でした。ペアリングは同じ構成を冷たい形での提供で、柚子がスッキリとこちらは伝わってきて、違いも感じられますね。
■林檎のスフレ
□紅茶とレーズンのアンフュージョン
自家製デラウェアのレーズン、ソーテルヌとりんごのマリネ、シナモンのスフレ、ボルドー赤ワインソース、ロックフォールアイス
去年も林檎のスフレを頂いているのですが、見た目は同じにみえても構成をかなり替えられた印象。
シナモンと林檎という相性のいい組み合わせのスフレに、ロックフォールアイスとボルドー赤ワインソースを途中で入れて食べていくのですが、どの組み合わせも贅沢なくらい美味しい組み合わせ。林檎もより素材感を出して、林檎の良さを堪能できました。ロックフォールアイス、ボルドー赤ワインソースは別の機会でそれぞれ頂いていたけど、この二つの組み合わせでも充分成立するくらいの味の奥深さもあり、もっと食べていたいくらい。ペアリングとの同調がとれていて、凄い全体がまとまった構成に。
今年一年のデザートコースでどんどん進化を遂げているというのが感じられると同時に、お話を聞いて素材などへの向き合い方や何気ない丁寧さなどが一皿一皿によく出ているなぁっていつも感心しながらいただいていました。ここから来年さらにどう進化されるのかが、とても今から待ち遠しいです。