11月の茶奏流水(202311@Vert)
先日、神楽坂のVERTさんで11月の茶奏流水さんを頂いてきました。
□山下玉露 早緑
うっすら苦味がありつつ、ふくよかな甘さを持っている。
■早生みかん
□文山包種茶
炭焼にしたみかんや皮を使ったゼリーのコクが珈琲にも親しいニュアンスになり、アイスを含めて同じみかんの中でも味の層の広がりが大きいものとなっている。
ペアリングは文山包種茶で、香りが特に良い感じで包み込まれるような明るい雰囲気。デザート側での印象がこちらをいただくと一気に変わる。
■紀ノ川柿/にっこり梨/ラベンダー/june blossom
柿と梨にラベンダーの茎のジュレと茶園の和紅茶で作られた羊羹。それぞれシャキッとした果実なので、羊羹での食感の対比もありつつ、香りについてはラベンダーも使うことで補っていますね。
■西条柿/湯葉/10.06VERT和紅茶
湯葉で巻いた柿の天ぷらに自作の和紅茶で作られたソースとベルガモットの組み合わせ。和紅茶側に甘い雰囲気が意外と感じられ、柿の火入れでの甘さと相まってくる。そこに湯葉のさくっとした食感を合わせた形に。先程の柿のデザートとはまた違う趣に。
■屋久島和紅茶/鰹/牛蒡/椎茸/カカオニブ
お出汁が鰹と椎茸を中心に林檎やカカオニブが少し効いた柔らかい印象のお出汁。ここに和紅茶で作った茶蕎麦というのが柔軟な発想だなと思いました。先程のと合わせて天ぷらそばという組み合わせに。
■ベルガモット/抹茶/白折
□冬焙じ茶
ベルガモットのグラニテが意外と力強い印象があり、そこから抹茶、白折のブランマンジェ、玄米茶ジュレと食べ進むことで香ばしさや奥にいる甘さなどが浮かび上がってきますね。
ペアリングのほうじ茶を一緒にいただくと、ベルガモットにある酸味がスッと消えて香りの印象のみが残るもので、セットでいただくことでより良さが出てくるものに。
■蜜入り紅玉/青小夏/キャラウェイ
□サンルージュ/大和ルージュ/ムーンルージュ
燻製香をつけたタタンにキャラウェイのムースや青小夏のソースで香りが重なってきて、香りが出づらい印象のタタンにより深みが出てきますね。
ペアリングはそれぞれの食材と炭酸の組み合わで、デセールとは対照的にサッパリした口当たりに奥からとうもろこしの甘さがでてきつつ、弾けるようなイメージ。
■ラフランス/無花果/シャインマスカット/薔薇/黒文字
□べにふうき白茶/甘茶/蜜柑皮/ディル
黒文字のアイスとラ・フランスのエチュベをメインにアマレットの香りを移したものも足して。スパイシーという印象とはまた違い、薔薇や無花果の葉などを使うことでより果実や華らしさがあって、ブルーチーズやアイスで輪郭も出てくる。
ペアリングはそれぞれを蒸留して抽出したもので、香りだけのニュアンスが全体に入ったような蒸留水。飲んだ時から飲み終えるまでに明るい印象の移り変わる様子があるものに。
■栗/ローゼル/ルージュロワイヤル/茄子マダム/柚子/味醂
□茜薫る/無花果/栗皮/クローブ
トップはほっこりと甘くて香ばしい栗のムースになっていて、下には茄子のアイスに加えてフロマージュブランにマスタード香をあわせたそうで、意外と食事っぽいかけあわせ。
ペアリングのほうじ茶を中心としたコンブチャは暖かく提供されることで醗酵感とともに無花果を中心とした甘いニュアンスがあるのと、デザート側のマスタードの印象から辛味が抜けて香りのみ弾ける感じとなって、結構意外性があるものでした。
■求肥/餡子
□青心大冇
作りたての求肥で作った大福と青心大冇という東方美人を作るのに適したお茶を。深い感じの甘さとほんのり苦い印象もあるお茶で意外と飲みやすい。
スペシャリテのタルトタタンもありつつ、天ぷらや茶そばなどのセイボリーも食材を組み合わせてより複雑さも出してきていて、色々と発見がありますね。