茶湊流水（202308@Vert）
先日、神楽坂のVERTさんで、2023年8月の茶湊流水さんをいただいてきました。
□早緑碾茶（山本甚太郎/宇治）
臼で挽くと抹茶にもなるそうで、甘くお茶の旨味も感じられる。
■ピオーネ（紅玉園）/白桃烏龍（山科茶舗/朝倉）
ピオーネと生姜のコンポート、白桃烏龍茶を凍らせた形で提供され、口に入れたタイミングから溶けていくことでピオーネの甘さから白桃烏龍茶の味わいが時間差で口に抜けていく形に。夏らしいアミューズ。
■ハスカップ（山口農園）／露茜/梅/ラベンダー
□棒焙じ茶（池乃屋園/入間）/カカオ/バニラ/生姜
ハスカップの少し明るい酸味と梅やラベンダーが浅煎りのほうじ茶ともニュアンスが合っている。酸味もそれぞれ重なることで深みがまして来ますね。
ペアリングは最初生姜のニュアンスがある感じですが、いただいていくとカカオがどんどん浮き出てくる感じで、これがデザートの酸味ともマッチしている。
■とよみつひめ/宮古島グアバ
□ふくみどり（奥富園/狭山）
グァバの味わいが意外と広がりを感じられつつ、無花果の味の印象は醤油と無花果の皮のキャラメリゼを間に入れているそうで、それがより引き出しているのかもしれない。全体に柔らかな印象に仕上がっていて、ペアリングで提供された煎茶も柔らかな印象の中に、華やかさのある香りが余韻として残りますね。
■茶蕎麦
宮崎の抹茶を練り込んだ蕎麦と昆布出汁、玉露で本当に茶蕎麦。結構お出汁がお茶と合わせてしっかりした風味がでていますね。
■藤かおり（駄農園/牧之原）/ブルーベリー（八木下農園）
藤かおりをアイスにして、ブルーベリー、ティムールペッパー、葉山椒と合わせたもので全体の印象としては柑橘感に少しスパイシーさが融合したもので、香りと旨みに焦点をあてたかたちかな。
■いけだ（ひらっち農園） /トマト/山葵
□香駿和紅茶（高梨茶園/秦野）/レモングラス/トンカ豆
昆布締めにした桃と発酵トマトという合わせで、奥にある味から桃の甘さが持ち上がってきて、花穂紫蘇もそれにうまく加担している。桃の昆布締めというのは意外性のある発想かも。
ペアリングは和紅茶を抽出時に葡萄の皮やレモングラスなどで抽出することで、こちらも少し明るい香りが感じられ、デザート側をより持ち上げてくれる。
■シャインマスカット(紅玉園) /ブラータチーズ/コリアンダー
□はるみどり （高梨茶園/秦野）/葉山椒/ジュニパーベリー
ブラータチーズの周りにはシャインマスカットにパクチーと菊をはちみつでマリネしたものを合わせ、パクチーの強い感じがうまく抜けて爽やかさとそれぞれの香りと甘さがサラダのようになり、ブラッターチーズともよく合う。
ペアリングははるみどりに葉山椒とジュニパーベリーを使ったコンブチャに炭酸を加えてスパイシーな甘さがよりデザート側への味の広がりを足してくれる。
■宮古島玉文/木次牛乳/ココナッツ
マンゴーの種を中心にマンゴー豆腐を作り、ヨーグルトやココナッツクッキー、青柚子のアクセント。これが作っているときから何をやるんだって思いながら見ていたんですが、構成している要素がタイヤベトナムとかに出てきそうなニュアンスの味だったかな。マンゴーから作るという発想が中々斬新だったかも。
■宮古島玉文/パイナップル/島バナナ/パッションフルーツ
□いずみIst2023（吉田茶園/猿島）/マンゴー/クローブ
宮古島の果物を使った構成で、マンゴーの甘さを堪能しつつ下に行くと島バナナのアイスや木の香りをつけたパインやシークワーサーなどでまさにその土地の素材でできたものが次々と現れる。間違いない組み合わせ。去年のものからより果物へ比重を上げたかな。
ペアリングは発酵感が意外とあるなかに、クローブの風味がアクセントに。全体はマンゴーで調和されていてデザート側との親和性が高いものに。
■金鍔
□あさひ本簧栽培抹茶（山本甚太郎/宇治）
その場で表面を焼いた金鍔には梨を入れていて、それがあることで金鍔にはない食感もありつつフレッシュさも出てくるのでその場じゃないと食べられない感じに。抹茶ともよく合う構成だったと思います。
夏の食材や季節感のあるような組み合わせを中心に、さっぱりしたものや濃厚なものと濃淡メリハリ付きつつも食べやすい流れでまとまっていましたね。次に伺うときも楽しみです。
