DESSERT COMPTOIR 秋の会(202409@Asako Iwayanagi)
先日、等々力のAsako IwayanagiさんでDESSERT COMPTOIR 秋の会さんに伺ってきました。
2020年のデザートコースの会、2023年ののレモンの会に続いての会となり、今回はテーマが秋ということのみで内容はシークレットのものに。
■焼き梨/大葉/黒蜜/カッテージチーズ/カボス
□エチオピアトニック
和梨を焼いたら美味しかったということで、今回アミューズとして。かぼす側には和梨のゼリー、フレッシュ、グラニテを層にして。
今回はあくとなしを使っていて、品種としても水分量もありつつ糖度もあるものということで繊維が感じず味の詰まった感じと紫蘇の感じがよりマッチしている。フレッシュのものとのコントラストが楽しめて、梨自体の固定観念を変えていくものに。
ペアリングはコールドブリュートニックのように、コーヒーとトニックに加えてラムネをシロップ代わりに。コーヒーの香りと後から甘さと爽やかな飲み口でとても飲みやすく、コーヒーがエッセンスのように。
■2種の無花果、オーツミルク
□無花果のメラッサ、バルサミコ
オーツミルクのブランマンジェと一緒に国産とフランス産の無花果を使い、国産のものは赤ワインコンポートとフレッシュ、フランス産はカルダモンカモミールコンポート。
オーツミルクの明るく弾ける感じが意外とブランマンジェにしてもあっていて、そこに無花果との相性の違いが色々とわかるもので、ペアリングとの組み合わせも良い感じに。
ペアリングは無花果のメラッサとバルサミコをあわせたものが、甘さと酸味にとても濃厚さと熟成された感じを醸し出していてデザートワインをイメージされているということですが、グラスで一杯いただきたいくらいとても美味しい。
■ショートケーキ
□浜茶
定番になるような商品を今までもこれからも作り続ける商品ということで、改めて味わってほしいということで、普段の葡萄のショートケーキを。
飲めるくらいの柔らかな感じと酸味とのバランスがとてもシンプルに美味しい。ジェノワーズもですが特にシャンティがコクと飲めるような軽さが非常にあっていて、以前の苺のプレートのようにベースが美味しいというのが肝なのかなと。クリーム感が多いものが最近あまり得意ではないんですが、これは美味しくいただけました。
ペアリングは少し発酵感のある感じをもつ柔らかい印象のお茶で、バニラとの相性を考えてとのこと。
■モンブラン
□浜茶
シュトロイゼルとバニラシャンティの上にカシスと藤稔を乗せ、モンブランペーストを。エルダーフラワージュレと黒胡椒をアクセント。
口溶けを考えたモンブランということで、スッと溶けるペーストと水分を補う形の葡萄の組み合わせが良い。単にカシスのみとしていない部分が味としてのまとまりをすごく感じました。また、意外とエルダーフラワーと胡椒のアクセントがより香りの組み立てをしてくれるものに。
ちなみに、一杯食べられるチームだったとのことで、モンブランのサイズはかなり多いものに。
ペアリングは浜茶の万能さを出したいということであえて2回目。柚子胡椒のトーンを感じてもらうことで、デザート側の葡萄やカシスとの味のイメージが合わさるものに。
■口直し
□柚子と牛蒡のマティーニ
ポルチーニを使ったリゾットクロケットにはもち麦や黒米にチーズと隠し味にいぶりがっこを。割った時にポルチーニの香りがとても感じられて食欲を掻き立てますね。お米のもちもち感にチーズなどの塩味の相性もよく、口直しとしても最適。みんながまだまだ食べられそうということで、ブラウニーも追加されました。
ペアリングは柚子と牛蒡で作ったマティーニにりんごとシナモンをあわせて。シナモンの感じもありつつも味のイメージとしてきんぴらごぼうのテイストに。すっきりした味で飲みやすい。
■パルフェバカラ 柿
□金木犀とほうじ茶
今回の会のためのパルフェバカラは柿を中心にした構成に。
黒蜜きなこと柿キャラメリゼのアイスを中心に香ばしい感じに柿やお芋のネットリとした印象がとてもマッチしている。飴やチョコなどのパリッと感も落ち葉、シュクレなどのパリパリっとしたイメージにも近しいのかな。ころ柿山椒ゆべしのあたりからあっさりと爽やかな印象の和構成になりつつ、最後のコンフィチュールなどでは柿とレモンや柚子との組み合わせで味的にサッパリと。
ちなみに、箸休めで胡麻餅も追加されました。
ペアリングは実は毎年こっそりとリニューアルしているということですが、香ばしい雰囲気に金木犀の香りの高さのトーンがマッチしている。
■とっておきの?コーヒーゼリー
ショーケースでも販売されているコーヒーゼリーにコーヒーをアンフュゼした生クリームを少し乗せたもので、テイクアウトできない形のものに。コーヒーゼリー自体もエッセンスや滑らかな感じが良いけど、そこにこのクリームの親和性がとてもあっていて乗せることの意味合いがしっかりとしている。
今回は予約された方が事前にわかっていたり、会の中で食べている流れからバランスなども調整されていたそうで、自分のいた組は全員一杯食べられる人だったようで、モンブランが大盛になったり、ブラウニーを追加してくれたりと、その時々でのインタラクティブ性もあるライブ感でしたね。岩柳シェフも合間合間に見にこられて、そのあたりも楽しまれていたのかなと思いました。