DESSERT COMPTOIR ASAKO IWAYANAGI(202304@Asako Iwayanagi)
先日、等々力のパティスリーAsako Iwayanagiさんで、DESSERT COMPTOIR ASAKO IWAYANAGI ~デザートとペアリングドリンクをコース仕立てに楽しむ会~さんに伺ってきました。
2日間で4開催のイベントということでわりと争奪戦だったそうですが、なんとか取れたので伺ってきました。
コンセプトとしては、国産レモンを使ってレモンの可能性を探り、色々と変化するレモンを中心にコースを味わい尽くす形ということで、レモンのメインと言うのは中々な新しい試みだと思いました。その中で、今年のパルフェビジュー シトロンを再構築して、各パーツごとの可能性とペアリングをともに提供して、最後はパーツを再構築したものを提供。今回はノンアルコールのペアリングをチョイスしました。
□生口島レモンのレモネード
甘さもありほんのり爽やかなレモネードでウェルカムドリンク。
■アミューズ
シューザジキソース、日向夏マーマレード
□浜茶
シューに日向夏マーマレードとはっさくとザジキソースを詰め、鰤のコンフィを載せたアミューズ。レモンの皮を最後に載せていて、結構柑橘がアクセントとして効いている感じ。
ペアリングの浜茶もこの組み合わせでいただくと、より磯の感じが受け止められるもので、いつも頂く感じよりもより印象深い。
■スープ
レモン葛、アングレーズソース、ウフアラネージュ
□つゆひかり
ウフアラネージュにアングレーズソースとレモンの葛をいれていて、アングレーズソースにもレモンを加えることでただ甘いのではなくて爽やかな酸味を加えた形。
ペアリングのつゆひかりも旨味が負けない形で、ウフアラネージュとの対比もある。
■サラダ
毛蟹、レモン
□赤紫蘇、グレープフルーツ、フェンネル
毛蟹の身と味噌を中心にアボカドとハーブを使ったタルタルを作り、西洋わさびやレモンドレッシングに加えて、毛蟹の甲羅を使ったジュレとライムキャビアを添えて。食べた時のアボカドから蟹味噌タルタルに行く味の入り方がよくて、蟹味噌感のクセが強すぎないところがまたいい。甲羅でとったソースのジュレも香ばしいアクセント感に。シェフが蟹が好きということで、この一品でも蟹づくしな感じに。
ペアリングでは苦味を元にしつつ、濃厚なサラダとの対比もあってよい。赤紫蘇が結構いい役割。
■ブランマンジェ
日向夏、レモン
□エルダーフラワー、抹茶、グレープフルーツ
日向夏のコンフィを中心にその過程でできたパーツでジュレやソースを入れ、ブランマンジェや求肥、レモンソース、美生柑を添えて。
ブランマンジェはパルフェビジューの中で必ずというくらいに使うパーツだそうで、今回はいつも提供しているアーモンドが入っていないタイプとアーモンドが入っているタイプでも食べ比べ。
まず絶妙な柔らかい感じのコンフィがとても美味しい。そこに柑橘の甘酸っぱさや食感の異なるパーツのテクスチャが楽しめる。またブランマンジェも食べ比べると差がしっかりと分かって面白いですね。
ペアリングはエルダーフラワーとグレープフルーツを中心に明るい感じでデザートとも合わせた感じで、抹茶の風味はスワリングしていくことで風味が足されていく。
■シャンティ
メレンゲ いちご
□カモミールとローズのハーブティー
七ツ石とBEAMSがプロデュースしたCadeau Rougeという2種を使い、フレッシュやコンフィチュールなど。シャンティクリームをメインとして味わってほしいデセールっていうのは、珍しいかも。ずっと柑橘系が続いていたので、味変の意味合いも兼ねて苺を使ったアシェットデセールにしつつ、重くならないように生地ものではなくてメレンゲを使ったとのことですが、これだけでも結構しっかりした一皿でそれぞれの味の組み合わせが楽しめますね。
ペアリングのハーブティーも温かいものだったので香りもたち、味もデセールとよく合うものに。
■口直し
レモンリゾット、牛肉
□アスパラガス、エルダーフラワー、グレープフルーツ
レモンステーキがなんと登場。ハンバークとかはデザートコース内で組み込まれたことはあるけど、ステーキはあまり見ないなぁって思って驚きました。エシレレモンバターと一緒にいただくのはレモンリゾットに揚げた胡椒をかけたもの。
ステーキはもちろん美味しいのですが、低温で揚げた胡椒のかかったレモンリゾットが程よい酸味とスパイス感で美味しく、岩柳シェフが話されいた通り、追い胡椒をしていました。通年は難しいと思うけど、ランチとかで提供し続けてほしい感じですね。
ペアリングは、プレート側にはない野菜の要素をアスパラガスで入れていて、香りはアスパラガスなんですが、頂いていくとグレープフルーツの柔らかい酸味を中心とした形で、スッといただけるものに。
□ペッパー茶、タイム、オレンジピール
もう一つ口直しの意味合いのドリンクでは胡椒の茎を使ったお茶にタイムとオレンジピールをあわせたものに。味や香りのベースはタイムだけど、少し胡椒のニュアンスや風味があるもので面白い。
■プティパルフェ
ミルフィーユ、ぶどう山椒、バジル、モッツァレラ
□ぶどう山椒のハーブティー/かりがねほうじ茶
構成的には今年のシトロンに近い感じにしつつ、レモンのソルベは去年の酸味の強いほうが好みということで、ソルベを去年のタイプに変更したものに。また、今回のために導入されたパイメーカーを使ってその場で生地を焼き、一緒に提供されたエルダーフラワーとレモンのシロップに漬けていただくという、よりアラミニッツ感の強いものに。
今回のコースを締めくくるようなレモンの印象からハーブ系のバジルモッツァレラソルベやぶどう山椒の味わいがとても爽やかにレモンを頂いている感がよく出ている。
ペアリングが実は2種類あり、最初はパルフェにも使われているぶどう山椒を使ったハーブティーで、口に入れたときの風味がとてもシンクロしてくる。
もう一つはパルフェを食べ勧めていくとトリュフのパーツがあり、そこに入った際に提供していただく大葉を合わせたかりがねほうじ茶で、これがトリュフの風味がすごい広がってくるのがわかり、意外性のある組み合わせでした。(かりがねほうじ茶撮ってなかった。)
■プティフール
レモン詰合せ
□ダージリン2ndフラッシュ
プティフールはお土産用になっていて、レモンを使ったプティフールを取り揃えたものに。ちゃんと写真用に1缶あるところがホスピタリティが高いなと。
ダージリン2ndフラッシュはレモンは入っていないけど、レモンの香りのするようなダージリンを最後に提供して、レモンづくしの意味合いがしっかり伝わるものに。
以前のHotel Koeさんでのイベントや夜会イベントのように、岩柳シェフ自らが説明したり作られたりしながらお客さんとの会話も楽しむ贅沢な会でした。福岡店がオープンしたらしばらくは福岡にいらっしゃるようで、新しい店舗も楽しみですね。今年ちょうど福岡に行く予定があるので、そのときに伺えればと思います。