柑橘と季節のフルーツのコース(202203@Yama)
先日、恵比寿のYamaさんにて柑橘と季節のフルーツのコースさんを頂いてきました。
3月4月のテーマになる柑橘を中心にしたデザートコースになり、結構旬な品種が移り変わるのかなということで早めの時期に伺ってきました。
今回のラインナップで土佐分担、甘夏、紅甘夏、せとか、タンカン、清見オレンジ、八朔、八丈島檸檬、湘南ゴールド、日向夏とこれだけの品種でクオリティが高いものを揃えられております。
□澄み切った苺のスパークリング
苺を液体と固体に分けて炭酸を合わせたもの。見た目もほんのり赤く香りもしっかり入ってきて、いつもとはまた違ったウェルカムドリンクに。
■朝採れたての雲、蕗の薹のドーナッツ
朝採れたての雲は桜の香りを纏わせて口の中で抜けていく感じが、春のコースという印象付けに。
蕗の薹のドーナッツは刻んだ蕗の薹を入れた生地で、こちらも食べると閉じ込められていた蕗の薹の味が一気に広がりますね。
今回のお皿も春らしいものを意識されていたのかな。
■白カビチーズのアイス、檸檬ソース
濃厚で独特な白カビチーズアイスの味わいが癖になりそうで、自分の好みですごい美味しい。レモンも酸をあえてたてているということですが、それくらいにしないとアイスに負けちゃうのかなということでちょうどいい親和性。
■柑橘のテリーヌ
□ミント、レモンバーベナ
いくつかの柑橘を味とともにグラデーションに配置して、濃い部分が甘く柔らかく、薄い部分が酸味や果肉のはじける形を感じられるものに。貴腐ワインのジュレで全体が纏まり、少し違う角度で生姜のソースが入ってきます。その方向性がペアリングとも合っていて美味しいですね。
こちらはChirashi同様にめっちゃ手間がかかっていることがわかり、全部房を取り外して分解されていて本当に果肉しかないという一品ですね。
■茶豆のコンポートと抹茶のグラニテ
□シナモン、蕎麦茶
栗のフラン、メープルでコンポートした枝豆、スナップえんどう、黒糖のアイス、抹茶のグラニテ
去年の抹茶のコースでも使われていた星野製茶園の抹茶から「星授」を使用して、枝豆やスナップえんどうで食感が入る形に。スナップえんどうも薄皮を全部処理されて純粋に食感を楽しめるように配慮されています。香り良い抹茶とお豆の感じ、栗のフランや黒糖アイスの甘さが和のテイストでまとまっていますが、ペアリングのシナモンで意識としては洋のテイストにも捉えられる形に。
■湘南ゴールドのスフレ
□自然茶の新芽のお茶、ジャスミン、金木犀
スフレには日向夏と湘南ゴールドのわらび餅、蕗の薹をアンフュゼしたソース
蕗の薹の香りに柑橘感が爽やかに広がる。このサイズで充分にそれぞれの要素が感じられて。わらび餅も柑橘でてきていて温かい中に食感足す形に。ペアリングで軽い感じのスフレに合わせて春を感じられるような明るい香りで、先ほどのパフェとは印象がガラッと変わる形ですね。
■カプレーゼ
トマトコンソメのグラニテとジュレ、塩、オリーブオイル、バジルブランマンジェ
前回のコースのときから少し変えていて、ジュレの層なども綺麗な形でより洗練された感じに。前後の口直し的な意味合いもありつつ、結構好評らしいので毎回提供されるかもとのことでした。
■山桜
□桜の葉、紅茶
メレンゲ、レモンクリーム、クレームフェッテ、白苺のアイス、薄い飴、下に桜の花の塩漬と苺と蜂蜜
甘さから塩味、酸味と儚さのある食感のコントラストが凄いまとまっていてアシェットデセールならではの一皿に。桜のデザートの一歩先をYamaさんらしく表現されていて、自分も感じていた桜のスイーツに対するひっかかりの部分を解決してくれた一皿でした。
ペアリングも桜餅をイメージされていて香りのニュアンスが狙い通りで非常に良く合うペアリング。
■苺飴
苺の中に黒豆きな粉のカスタードを入れて、薄い飴をつけたもの。ピスタチオとはまた違った風味が入ってフレッシュ感もある苺飴に。
今回のコースは今までのデザートコースと比べて品数が多い中、使われたい食材を中心に春らしさも全体で感じられるコースになっていたと思います。柑橘も結構旬の移り変わりが早いそうで、タイミングによっては構成とかが変わるかもしれないようですね。